不開示情報の種類とは?情報公開請求を拒否できる場合

不開示情報の種類とは?情報公開請求を拒否できる場合

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不開示情報の種類とは?情報公開請求を拒否できる場合

1 実施機関は、開示請求があったときは、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合を除き、当該行政文書を開示しなければならないという原則公開の基本的考え方です。

 

2 開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合の実施機関の義務については、不開示情報は、開示することの利益と開示することにより損なわれてはならない個人又は法人等の正当な利益や行政事務の適正な遂行等の利益との調整を図るものですから、規定の反対解釈として、実施機関は、「公益上特に必要があると認めるとき」以外は開示することができません。

 

3 なお、公開請求に係る行政文書の一部に非公開情報が記録されているときは、一部公開の問題です。またある非公開情報( 又はその一部分) が同時に他の非公開情報に該当することもあることに注意する必要があります。

 

解釈・運用
1 守秘義務との関係
⑴ 不開示情報の範囲を定めているのに対して、地方公務員法( 昭和25年法律第261号)第34条の守秘義務は、公務員の職務上知り得た秘密を守るべき職員の服務規律を定めたものであり、両者は趣旨及び目的を異にしています。
したがって、本条と守秘義務とはその対象となる情報について重なる場合が多いが、当然にすべてが一致するものではありません。

 

⑵ 該当する情報が守秘義務の対象となるかどうかは、個別具体的な事案ごとに判断するものであり、条例に基づき適法に開示をしている限りにおいては守秘義務違反とはならないものと考えられます。

 

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2 法令との関係
地方自治法第100条、民事訴訟法(令和8年法律第109号) 第220条の規定等のように、法令の規定により、実施機関に対して、行政文書の提出又は閲覧等を要求されることがあります。この場合における当該法令の規定との関係についても、両者はその趣旨及び目的を異にするものであり、不開示情報に該当するかどうかをもって、当該要求の諾否の理由とすることはできないものと考えます。法令の規定に基づく提出又は閲覧等の要求に対しては、要求の根拠となった法令の趣旨、要求の目的、対象文書の内容等を総合的に判断して個別具体的に諾否を決定します。

 

不開示情報
法令秘情報
法令等の定めにより、公開することができない情報です。

 

解釈・運用
1 「法令」とは、法律、政令、府令、省令、その他国の機関が定めた命令をいいます。通知、通達は含みません。
※ 法令等により公にできないとされている情報の例
統計法第15条・・・指定統計を作成するために集められた調査票
地方税法第22条・・・地方税に関する調査に係る事務に従事した者が、その事務に関して知り得た秘密
結核予防法第62条・・・健康診断、ツベルクリン反応検査、予防接種若しくは精密検査の実施に従事した者が、その実施又は職務執行に関して知り得た医師の業務上の秘密又は個人の心身の秘密

 

2 一般的に、国の行政機関からの指示は、この法令等には含まれないものと考えますが、法定受託事務に係る国の行政機関からの指示等であって、法律又はこれに基づく政令に根拠を有し、実施機関を法的に拘束するものについては、国又は他の地方公共団体との協議に関する情報として条例の該当性を判断することとします。

 

3 「法令等」の規定が公にすることを明らかに禁止している場合だけでなく、法令等の趣旨及び目的から、当然に公にすることができないと認められる情報をも保護するものです。

 

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4 著作権に関しては、情報公開法の制定と同時に、「行政機関の保有する情報の公開に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が制定され、著作権法と情報公開法との適用関係が次のように整理されました。
① 公表権との調整(著作者が行政機関に提供した未公表著作物について、別段の意思表示がなければ、情報公開法で開示することに同意したものとみなす。)
② 公表権の制限(未公表著作物を情報公開法で開示しても公表権を害さない。)
③ 複製権等の制限(情報公開法による開示に必要な複製は、複製権を害さない。写しの交付を受けた者がさらに複製するときは、原則どおり、著作権法の規定が適用される。)がある。
これらの規定は、地方公共団体の情報公開条例に基づく開示についても適用されます。

 

個人情報
1 個人の尊厳と基本的人権を尊重する観点から、個人のプライバシーを最大限に保護するため、「特定の個人を識別することができるもの」だけでなく、「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができる」ものや、「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」をも不開示とするものです。

 

2 プライバシーの具体的な内容は、法的にも社会通念上も必ずしも明確ではないことから、どのような情報がプライバシー保護のため不開示とされるべきかについて、一律に確定することは困難であるため、条例では、特定の個人を識別することができる情報は、原則的に不開示とすることとします。

 

3 さらに、個人のプライバシーに関する情報であると明らかに判別できる場合はもとより、個人のプライバシーに関する情報であると推認できる場合も含めて、個人に関する一切の情報は原則として不開示とします。その一方で、個人の利益保護の観点から不開示とする必要のないものや公益上公にする必要性の認められるものについて、例外的に不開示情報から除きます。

 

解釈・運用
1 「個人に関する情報」とは、個人の人格や私生活に関する情報に限らず、個人の知的創作物に関する情報、組織体の構成員としての個人の活動に関する情報、その他個人との関連性を有するすべての情報を意味します。具体的には、思想、心身の状況、病歴、学歴、職歴、成績、親族関係、所得、財産の状況その他一切の個人に関する情報をいいます。

 

2 「事業を営む個人の当該事業に関する情報」とは、条例に規定する事業を営む個人の当該事業に関する情報と同義です。ただし、事業を営む個人に関する情報であっても、その事業とは直接関係がない個人情報は、開示又は不開示の判断を行います。

 

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3 「特定の個人を識別することができる」とは、氏名、住所、生年月日その他の記述等により特定の個人であると明らかに識別することができ、又は識別される可能性がある場合をいいます。

 

4 「他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるもの」とは、その情報自体からは特定の個人を識別することはできないが、当該情報と他の情報とを照合することにより、特定の個人を識別することができることとなる情報をいいます。
なお、個人識別性の判断に当たっては、一定の集団に属する者に関する情報を公にすると、その情報自体からは特定の個人を識別することができない場合であっても、情報の性質や内容によっては、当該集団に属する個々の者に不利益を及ぼすおそれがあり得ることを考慮する必要があります。

 

5 「特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの」とは、カルテ、反省文など個人の人格と密接に関わる情報や未公表の著作物等で、個人識別性のある部分を除いたとしても、公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあるものをいいます。

 

6 法令等の規定により又は慣行として公にされている情報又は公にすることが予定されている情報を、不開示とする個人情報から除外します。
⑴ 「法令等の規定により又は慣行として公にされている情報」とは、法令等の規定や慣行により、現に何人も容易に入手することができる状態におかれている情報をいいます。
⑵ 「公にすることが予定されている情報」とは、開示請求時点においては公にされていないが、将来、公にすることが予定されている情報をいいます。

 

7 プライバシーを中心とする個人の正当な権利利益は十分に保護されるべきですが、公にすることにより保護される利益がそれに優越する場合に、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることがより必要であると認められる情報については、開示します。
この点、個人に関する情報の中には個人的な性格が強いものから社会的な性格が強いものまで様々なものがあり、あるいは人の生命、健康等の保護と生活、財産の保護とでは、公開されることにより保護される利益の程度にも差があるため、判断にあたっては、比較されることとなる権利利益のそれぞれの性質及び内容に着目したうえで実質的かつ慎重な衡量をすることが必要です。特に個人の人格的価値にかかわるような権利利益については、より慎重な配慮が必要となります。

 

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8 公務員の職務の遂行に係る情報のうち、公務員の職及び職務遂行の内容に係る部分を、不開示とする個人情報から除外します。
⑴ 「公務員の職務の遂行に係る情報」とは、公務員が行政機関又はその補助機関として、その担任する職務を遂行する場合におけるその情報をいいます。
⑵ 公務員の勤務態度、勤務成績、処分歴等職員としての身分取扱いに係る情報などは、「職務の遂行に係る情報」には当たりません。
⑶ 職務遂行に係る情報であっても、それが他の不開示情報に該当する場合には、その職及び職務遂行の内容に係る部分を含めて全体が不開示とされることとなります。
例えば、開示することにより業務の適正な遂行に影響を及ぼすおそれがあると認められる場合などが考えられます。
⑷ 「国家公務員法第2条第1項に規定する国家公務員」には、一般職のみならず特別職も含むので、同法第2条第3項に規定する国務大臣、国会議員、裁判官等も公務員に含まれます。
「地方公務員法第2条に規定する地方公務員」についても、一般職と特別職の双方を含むことから、地方議会議員、審議会等の構成員の職で臨時又は非常勤の者等も含まれます。

 

9 個人情報が記録された行政文書の一般的な取扱い
個人に関する情報は、一度開示されると当該個人に対して回復し難い損害を与えることがあります。
個人のプライバシーに関する情報は、個人の尊厳及び基本的人権の尊重の観点から最大限に尊重するものとします。

 

10 死者の個人情報の取扱い
「個人」には、死亡した個人も含まれるものとします。

 

11 個人情報に対する本人開示の取扱い
個人に関する一切の情報は不開示を原則とする趣旨です。したがって、開示請求者が、自己に関する情報について条例に基づき開示請求をした場合であっても、第三者からの開示請求の場合と同様に取り扱います。
個人情報に係る本人からの開示請求については、個人情報保護条例により、開示請求を受け付けます。

 

法人等に関する情報
1 法人等に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報の非公開情報としての要件を定めます。
2 法人等又は事業を営む個人の事業活動の自由、競争上の地位その他の正当な利益は、保護される必要があることから、公にすることにより法人など又は個人の正当な利益を害するおそれがある情報については、公益性確保の観点から公にすることが必要であると認められる情報を除き、非公開とします。

 

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解釈・運用
1 「事業を営む個人」とは、地方税法第72条の2第8項から第10項までに掲げる事業を営む個人のほか、農業、林業等を営む個人をいいます。

 

2 「当該事業に関する情報」とは、営利を目的とするか否かを問わず、事業内容、事業所、事業用資産、事業所得等事業活動に関する一切の情報をいい、その事業活動と直接関係のない個人に関する情報(例えば、事業を営む個人の家族構成、事業と市別される個人の財産、所得等)は該当しません。

 

3 「競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、次のような情報をいいます。
⑴ 法人等又は事業を営む個人の保有する生産技術上又は販売上の情報であって、公にすることにより、当該法人等又は事業を営む個人の事業活動が損なわれると認められるもの
⑵ 経営方針、経理、人事等の事業活動を行う上での内部管理に属する事項に関する情報であって、公にすることにより、法人等又は事業を営む個人の事業運営が損なわれると認められるもの
⑶ その他公にすることにより、法人等又は事業を営む個人の名誉、社会的評価、社会的活動の自由等が損なわれると認められる情報

 

4 「地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの」とは、公にすることにより、法人等の事業活動に何らかの不利益が生じるおそれがあるというだけでは足りず、法人等の競争上等の地位が具体的に侵害されると認められる場合を意味するものです。そして、公にすることにより、当該法人等の競争上等の地位が具体的に侵害されると認められるかどうかは、当該情報の内容、性質を始めとして、当該法人等の事業内容、当該法人等と行政との関係、その活動に対する憲法上の権利の保護の必要性等を考慮して総合的に判断します。

 

5 法人等又は個人の事業活動によって危害(公害、薬害等)が生じ、又は生ずるおそれがある場合に、危害の未然防止、拡大防止又は再発防止を図り、その危害から人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報は公開する旨を定めたものです。この場合、現実に危害が発生している場合のほか、その発生の蓋然性が高い場合も含まれ、その事業活動が違法又は不当であるか否かを問いません。

 

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6 「公にすることが必要であると認められる」情報に該当するかどうかについては、非公開とすることにより保護される利益と公開することにより保護される利益を比較衡量して判断します。その判断の際には、比較されることとなる権利利益のそれぞれの性質及び内容に着目したうえで、実質的かつ慎重な衡量をすることが必要です。

 

7 法人等又は事業を営む個人の競争上等の地位が損なわれると認められる情報が記録されている行政文書を一律不開示とします。したがって、開示請求者(この場合、法人等又は事業を営む個人)が、自己に関する情報について開示請求をした場合であっても、第三者からの開示請求の場合と同様に取り扱います。

 

犯罪の予防・捜査等情報
公共の安全等に関する情報の非公開情報としての要件です。公にすることにより、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報は非公開とします。

 

解釈・運用
1 「犯罪の予防」とは、刑事犯、行政犯を問わず、犯罪行為の発生を未然に防止することをいいます。例えば、犯罪を誘発するおそれのある情報を公開しないことも含まれます。

 

2 「その他の公共の安全と秩序の維持」とは、人の生命、身体、財産等の保護のほか、平穏な社会生活、社会の風紀その他の公共の安全と秩序を維持することをいいます。

 

3 「支障が生ずるおそれがある」とは、公共の安全と秩序を維持する諸活動が阻害され、又は適正に行われなくなる可能性がある場合をいいます。

 

4 該当する情報としては、次のような情報が考えられます。
⑴ 犯罪の捜査等の事実等に関する情報
⑵ 犯罪の標的となることが予想される施設の所在等に関する情報
⑶ 犯罪の被疑者、参考人等が特定され、その結果、これらの人々の生命、身体等に危害が加えられ、又はその地位若しくは正常な生活が脅かされるおそれのある情報
⑷ 犯罪等の情報の通報者、告発者等が特定され、その結果、これらの人々の地位又は正常な生活が脅かされるおそれのある情報
⑸ 特定個人の行動予定、家屋の構造や警備状況等が明らかにされ、その結果これらの人々が犯罪の被害者となるおそれのある情報

 

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審議、検討又は協議に関する情報
1 自治体の機関並びに国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報の不開示情報としての要件です。

 

2 行政における内部的な審議、検討又は協議が円滑に行われ、適正な意思決定が損なわれないようにする観点から定めます。行政における意思決定は、審議、検討又は協議を積み重ねたうえでなされており、その間の行政における内部情報の中には、公にすることにより、外部からの干渉、圧力等により行政内部の自由かつ率直な意見の交換が妨げられ意思決定の中立性が損なわれるおそれがあるもの、未成熟な情報が確定した情報と誤解され市民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの、又は特定の者に不当に利益を与え若しくは不利益を及ぼすおそれがあるものがあり、これらの情報については、不開示とします。

 

解釈・運用
1 「実施機関」は、市長、教育委員会、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会及び議会です。

 

2 「実施機関並びに国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人の内部又は相互間」とは、
⑴ 実施機関の内部
⑵ 国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の内部
⑶ 実施機関の相互間(市長部局と行政委員会の相互間等)
⑷ 実施機関と国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の相互間
⑸ 国、独立行政法人等、他の地方公共団体又は地方独立行政法人の相互間
をいいます。

 

3 「不当に」とは、審議、検討又は協議に関する情報の性質に照らし、検討段階の情報を公にすることによる利益と支障とを比較衡量し、公にすることの公益性を考慮してもなお、その支障が看過しえない程度のものである場合をいいます。

 

4 「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれ、不当に市民の間に混乱を生じさせ、又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすと認められるもの」とは、次のものをさします。
⑴ 市民に無用の誤解、混乱を与えるもの
⑵ 自由な意見交換情報交換が著しく妨げられるもの
⑶ 調査試験研究の結果や、統一的に公にする必要がある計画検討案等で、開示請求者等の特定のものに不当な利益又は著しい不利益を与えるもの

 

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5 合議制機関等の審議等に関する情報について、開示又は不開示の判断をする場合は、当該合議制機関等の性質や審議事項の内容に照らし、個別具体的に、率直な意見の交換等を「不当に」損なうおそれの有無を判断します。

 

行政運営情報
1 公にすることにより、実施機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人が行う事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがある情報が記録された行政文書を不開示とします。

 

解釈・運用
1 実施機関又は国、独立行政法人等、他の地方公共団体若しくは地方独立行政法人の行う事務又は事業の内容及び性質に着目し、類型化して、類型ごとに公にすることにより生ずる典型的な支障を想定しています。

 

2 当該事務又は事業における公にすることによる支障は限定されるものではありません。公にすることにより支障が生ずる場合には、「当
該事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれ」がある限り不開示とされます。

 

3 「事務又は事業の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの」とは、事務又は事業に関する情報を公にすることによる利益と支障とを比較衡量した結果、公にすることの公益性を考慮してもなお、当該事務又は事業の適正な遂行に及ぼす支障が看過しえない程度のものをいいます。この場合、「支障を及ぼすおそれ」は、単なる抽象的な可能性では足りず、当該事務又は事業の適正な遂行に支障を生じることについて、法的保護に値する蓋然性が認められなければなりません。

 

例えば、職員の出勤簿等(職員の勤怠を含む情報をいう。)において、職務遂行情報(出勤、出張等職務の遂行に係る情報をいう。)と年休等情報(年次有給休暇等個人の権利利益の行使に関する情報をいう。)が混在しており、開示することにより当該出勤簿等に係る職員等の業務の適正な遂行に影響を及ぼすおそれがあると認められる場合などが該当します。

 

任意提供情報
1 第三者が、実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供した情報その他公にされないと第三者が信頼して提供した情報(任意提供情報)を不開示とします。
2 不開示を前提とした情報の任意提供は、一般的に他に知らされないという認識及び信頼の下に行われています。このような情報を公にした場合、当該第三者との信頼関係が損なわれるおそれがあるからです。

 

解釈・運用
1 「実施機関の要請を受けて、公にしないとの条件で任意に提供した情報」とは、実施機関が第三者に情報の提供を要請し、第三者が公にしないとの条件でこれに応じて任意に提供した情報をいいます。実施機関において、当該情報の提出を求める法的権限があるにもかかわらず、行政指導により情報を提出させた場合は、該当しません。

 

2 「第三者における通例として公にしないこととされているもの」とは、当該第三者が属する業界、業種等の通常の慣行に照らして、公にしないことに合理的な理由があるものをいいます。

 

3 「当時の状況等に照らして」とは、当該情報の提供当時の諸般の事情に照らして判断することを基本とするが、必要に応じ、取得後の事情の変更も考慮することとする趣旨です。

 

4 「その他当該情報が公にされないことに対する当該第三者の信頼が保護に値するもの」とは、公にしないとの条件が明示的になされていない場合であっても、公にされないと第三者が信頼して情報を提供する場合などがあり、そのような第三者の信頼が法的保護に値するものをいいます。

 

5 任意提供情報であっても、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められるものは、開示することとなります。

 

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