動詞、複合動詞、補助動詞の書き方|公用文の漢字とひらがな
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動詞、複合動詞は漢字で書く
単独の動詞や複合動詞は、常用漢字で書ける語句は漢字で書きます。
複合動詞とは「取り組む」のように二つの動詞を組み合わせたもので、前の動詞も後の動詞も漢字で書き、「取組み」などの複合動詞の名詞形も漢字で書きます。
また、複合動詞には「見直す」のように前の動詞が1音節のものもあります。
複合動詞は広義では、「近寄る」(形容詞+動詞)や「腰掛ける」(名詞+動詞)のように他の品詞と動詞を組み合わせたものもありますが、全て複合動詞として扱い漢字表記します。
単独の動詞の例
成果を見せる 権利が欲しい
状態が良い 贈り物を下さる
複合動詞の例
買い入れる 食べ過ぎる
補助動詞はひらがなで書く
補助動詞とは、動詞の前に接続助詞の「て」や「で」が付いて、「~(し)てください」のような用い方をする一定の動詞をいい、ひらがなで書きます。
前の動詞に補助的な意味を加えるもので、「ある」「いく」「いる」「おく」「くる」「くれる」「しまう」「みせる」「みる」「もらう」「やる」「ゆく」「よい」などがあります。
補助動詞には敬語もあり、「あげる」「いただく」「いらっしゃる」「くださる」「さしあげる」「まいります」もひらがなで表記します。
補助動詞のなかには、「~(し)てもかまわない」のように「ても」が付くもの、「~してみてほしい」のように補助動詞が連続するものもありますが、全てひらがな表記です。
補助動詞の例
~てあげる(本を貸してあげる。)
~ていく(経費が増えていく。)
~いただく(報告していただく。)
~ておく(通知しておく。)
~てください(相談してください。)
~てくる(暑くなっていくる。)
~てしまう(失敗してしまう。)
~てみる(見てみる。)
補助動詞は、もともと動詞である語が本来の意味と自主語である性質を失って、助動詞のように用いられる語句をいいます。
例えば、「~ていただく」「~てください」だと以下のような違いがあります。
例文
(普通の動詞)お土産を頂く。資料を下さい。
(補助動詞)大臣に発言していただくことになっている。質問してください。
動詞の「頂く」「下さい」は、それぞれ謙譲語ですが、「物をもらう」「くれ」などという独立した意味を持っている普通動詞なので漢字で書きます。
一方、「発言していただく」「質問してください」の「いただく」「ください」は、「物をもらう」という意味ではなく、動詞に付いて丁寧さを表す助動詞的な働きをしています。
そこで、本来の意味の普通の動詞と区別するために、また、場合によっては誤読されることを避けるという目的もあって、平仮名で書きます。
補助動詞は、基本的に「て~」「で~」の形で書かれますが、接頭辞が付いて例えば「ご遠慮ください。」というように、「て~」「で~」の形をとらない場合もあります。
この場合の「ください」も補助動詞なので、「ご遠慮下さい」と漢字で書かずに、平仮名で書くことに注意してください。
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