「また、なお、おって」の使い方|改行、順番、段落の公文書での使い方の違い
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文書を作成する際、「なお、また、おって」といった接続詞や、改行のタイミング、段落分けの仕方などが分からなくなってしまうことがよくあると思います。
こちらでは接続詞や、改行、段落、句読点や空白(ブランク)等の使い方を公文書ルールでご紹介していきます。
「また、なお」の違いと使い方
公文書において「また、なお」という接続詞はよく使う表現です。
「なお」は、前の文章を補足、強調する場合に使用します。
「また」は、前の文章に別の内容を追加する場合に使用します。
とはいえ、「また、なお」は、違いが曖昧でどちらを使用しても意味が通じることも多いため、厳密に使い分ける必要はありません。
また、「なお」と「また」などをセットで使う際の順番には決まりごとはありません。
しかし、接続語を多用すると文章が読みづらくなることがあるため、必ず通読して違和感がないかは確認します。
改行する接続詞
次の言葉を使って、完結した前の文に対する独立した形の補足説明などをする文書を続けるときは、改行します。
言い換えると、次の言葉は必ず段落の頭にくることになります。
(改行する言葉)
なお また おって さて ついては ところで
文例1
食品衛生講習会の開催について
盛夏の候、皆さまにはますます御清栄のことと存じます。
また、日ごろ、市政には何かと御協力をいただきありがとうございます。
さて、○月○日に行った検査の結果について、下記のとおり食品衛生講習会を開催します。
文例2
講師の派遣について(依頼)
当市においては、別紙により職員研修を実施する予定です。
ついては、貴県○○部○○課長○○○○氏を下記により講師として御派遣くださいますよう、お願い申し上げます。
なお、同氏に対しては、別途御依頼申し上げ、御内諾を得ております。
改行しない接続詞
次の言葉などを使って文書を続けるときは、改行しないで前の文に続けます。
言い換えると、次の言葉は必ず段落の途中にくることになります。
(改行しない言葉)
ただし この その このため その際 この場合において
文例1
令和○年○月○日付けで申請のあった○○専門学校の目的変更については、学校教育法(昭和22年法律第26号)第82条の8第3項の規定により認可します。ただし、下記事項を守らなければなりません。
文例2
普通地方公共団体の長に事故があるとき、又は長が欠けたときは、副知事又は副市町村長がその職務を代理する。この場合において副知事又は副市町村長が2人以上あるときは、あらかじめ当該普通地方公共団体の長が定めた順序、又はその定めがないときは席次の上下により、席次の上下が明らかでないときは年齢の多少により、年齢が同じであるときはくじにより定めた順序で、その職務を代理する。
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空白(ブランク)の使い方
(1) 文の最初の行と新たに起こした行の始めの1字分は、空白にします。ただし、表彰文と証明文の一部(証書)については、空白にはしません。
(2) 句読点を使わない文(表彰文と証書)の場合は、句点(。)を使うべき箇所を1字分空白にします。
(3) 文の項目につける項番、段落番号、見出し記号(1、2,3、(1)、(2)、(3)、ア、イ、ウなど)の次には、読点やドットを打たず、1字分空白にします。
空白の使用例※□が空白
□今年度異動になった職員を対象に下記の
とおり新任研修を開催するのでご参加ください。
記
1□日時
□□令和5年4月1日(月) 午前9時から
2□持ち物
□(1)□筆記用具
□(2)□受講票
□□ア□当日はすべて指定席です。
□□イ□受講票紛失の場合、再発行します。
記号の配置
句読点、なか点、コンマ、ピリオド、括弧、かぎ括弧などは、1字分として扱います。
ただし、次の場合は1字分として扱いません。
(1) 句読点、なか点、コンマ、ピリオドが行の最初になるとき
句読点、なか点、コンマ、ピリオドは行の最初には書かず、前の行の最終字の後に書きます。
【誤った「、」の位置】
○○○○○○○○○○○。ただし
、○○○○○○○○○○○します
。
【正しい「、」の位置】
○○○○○○○○○○○。ただし、
○○○○○○○○○○○○します。
(2) 括弧、かぎ括弧が行の最初又は最後になる場合
( と 「 は、行の最後の位置には書かずに、次の行の一文字目の前に書きます。
) と 」 は、行の最初の位置には書かずに、前の行の最終字の後に書きます。
【誤った( 「 ) 」の位置】
○○○○○○○○○○○(
×××)
○○○○○○○○○○○「
×××」
(○○○○○○○○○○
)×××
「○○○○○○○○○○
」×××
【正しい( 「 ) 」の位置】
○○○○○○○○○○○
(×××)
○○○○○○○○○○○
「×××」
(○○○○○○○○○○)
×××
「○○○○○○○○○○」
×××
まとめ
・「なお」は、前の文章を補足、強調する場合に使用する。
・「また」は、前の文章に別の内容を追加する場合に使用する。
・「また、なお」の使い分けは、通読して違和感がなければどちらでも良い。
・「また、なお」を使用する順番について、決まりごとはない。
・「なお また おって さて ついては ところで」を使用するときは改行する。
・「ただし この その このため その際 この場合において」を使用するときは改行しない。
・文の最初の行、新たに起こした行の始めの1字分は、空白にする。
・項番、段落番号、見出し記号の後ろ1字分空白する。
・句読点、なか点、コンマ、ピリオド、)、」は行の最初には書かず、前の行の最終字の後に書く。
・ ( と 「 は、行の最後の位置には書かずに、次の行の一文字目の前に書く。
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