公務員の文書の書き方|市役所勤務等の文書作成のコツ
公文書は分かりやすい表現をするように工夫することが大切です。
分かりやすい文章にするためのコツをご紹介します。
文を短くする
長い文は理解しづらいです。一文が長くなると、文が複雑になり、主語と述語の関係がはっきりしなくなったり、修飾語と被修飾語の対応があいまいになったりします。
さらに読んでいるうちに最初の方を忘れてしまい、文章が理解できなくなってしまいます。
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日本語では結論となる述語が文の最後にあるため、一文をできるだけ短くした方が分かりやすい文になります。
次の点に注意し、一つの文はできるだけ50字以内にするようにします。
① 一つの文には一つの事柄だけを書く。
② 読み手に不必要な情報は書かない。くどい表現は簡潔に言い換える。
③ 「が」、「ので」、「で」などの接続語を使い過ぎないようにする。
④ 「~と思われる」「~と考えられる」などのあいまい語はなるべく使わない。
⑤ 連用中止法(「~をし、」「~であり、」のように、述語の連用形を用いて文章を続ける方法)を文中に何度も使って、安易に文を続けない。
⑥ 箇条書きを上手に使う。
主観を入れない
公文書は個人の考えを述べるものではありません。
発信者の意思表示を、職員が代筆していると考えるべきです。
文書の作成に当たっては、発信の名義人が発している文書であることを意識しましょう。
表現も個性的なものや文学的なものは避けます。
命令・禁止口調は避ける
「~すること」「~禁止」のような命令・禁止口調は、相手に不快感を与えるおそれがあるため、必要以上に使用しないようにします。
しかし、あまりにあいまいな内容にすると、正確に意味が伝わらなくなりますので注意します。
とはいえ、明確に命令・禁止の意思を示さなければならない場合には、はっきりと書くことが必要なときもあります。
× 故障中のため使用禁止
○ 故障中ですので使用しないでください。
肯定形で書く
「~してはならない」「~でない」などの否定文はできるだけ避け、肯定文にするようにします。
日本語は否定語が文の最後にくるため、最後まで読まないと肯定なのか否定なのかわからず、誤解を生じることがあるからです。
× 経費節約のため、昼休みは室内の電灯はつけたままにしないでください。
○ 経費節約のため、昼休みは室内の電灯は消してください。
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あいまいな表現をしないで正確な表現をする
何となく意味は通じるようであっても、日本語の表現として正しくないもの、誤解を生じるものは避けます。
× 免許証に誤りがある場合は、3番窓口で訂正してください。
○ 免許証の記載事項に誤りがある場合は、3番窓口で訂正を求めてください。
上の例では、誤りがあるのは免許証自体ではなく、免許証の記載事項です。
また、訂正を行うのは職員であり、免許証の所持人が自分で訂正するわけではありません。
重複表現はしない
同じ意味の言葉を繰り返して使う「重言」がないように注意します。
重言があると、誤りであるだけでなく、文章が無駄に長くなります。
× 被害を被る → ○ 被害を受ける
× 価格を値下げする → ○ 価格を下げる
× 受注を受ける → ○ 受注する
× 各グループごとに → ○各グループに/グループごとに
× まず初めに → ○ 初めに
受身形はなるべく使わない
「れる」「られる」といった受身形の文や抽象語を主語にした文はあいまいになりやすいので、なるべく使わないようにします。
× かかる問題は、できるだけ早く解決されなければなりません。
○ このような問題をできるだけ早く解決しなければなりません。
あいまい語はなるべく使わない
文章の内容に自信がないと、「~と思われる」「~と考えられる」のようなあいまい表現を使いたくなりますが、このような表現はできるだけ避けます。
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難解な表現は避ける
分かりやすい文章を書くためには、分かりやすい言葉を選ぶことが基本です。
あえて難しい言葉を使うことで、文章が格調高くなったかのように誤解することがありますが、公用文ではそのような表現はマイナスです。レベルの高い文章とは、難解な文章ではありません。
(1) 文語的表現
「~せねば」「~すべく」「~のごとき」などの文語的表現は避け、できるだけ口語的表現にします。
ただし、次のような語句は、本来は文語ですが、公用文に使ってもよいとされています。
①「あり」、「なし」、「同じ」
簡単な注記や表の中などでは、終止形に限り、使ってもかまいません。
・扶養する子 あり ・配偶者 なし ・住所 本籍に同じ
②「べき」
「べき」(連体形)だけを使います。「べし」「べく」などの形は使いません。
・賛成すべき意見 ・使うべきでない言葉
(2) 漢語調の難解な表現
「逐次」「遺憾」などの難しい漢字熟語は、ほかの平易な言葉に置き換えて問題がない場合には、使用しないようにします。特に一般の市民等に向けた文書では、官公庁でしか使用しないような特殊な言い回しは避けます。
接続詞は使い過ぎない
文と文をつなぐ接続詞には、文章の流れをスムーズにし、読みやすくする役割がありますが、多くなりすぎると文章は読みにくくなってしまいます。
特に、その接続詞があってもなくても意味が通じるような文章については、使わない方が文章はすっきりします。
一文を短くした方がいいからといって、やたらと「そして」を使ってつなげるような表現をすると、小学生の作文のような稚拙な印象を与えてしまいます。
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