「など、等」の使い分け方、言い換え方|公用文での「等」の使い方

「など、等」の使い分け方、言い換え方|公用文での「等」の使い方

「など、等」の使い分け方、言い換え方|公用文での「等」の使い方

公用文では、列挙した語句を「等」「その他」「その他の」などでくくって多少の含みを持たせることができます(非限定列挙)。
この中で、列挙した語句を「等」でくくる接続が最も曖昧で含みを持たせたものになります。
このような表現は、一般公用文では多少の曖昧さが許され、かつ、確定的な列挙が不用な場合などに用いられます。

 

「等」で接続する場合には一定のルールがあるため、その用法や「など、等」の使い分けとともにご紹介します。

 

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「等」の使い方

非限定列挙では、「等」を用いるのが最も一般的です。
用法は簡単で、名詞をすべて句読点「、」で結び、最後の語句に「等」をつけます。
これだけで「等」の前に列挙されている名詞に類似したものがほかにもあるという意味になります。

 

ただし、解釈上、厳密性に欠けていて、他にも列挙した語句に類似するものがあることを示唆しているにすぎません。
そのため、公用文で「等」を用いるのは、その程度の曖昧さが許され、解釈上支障が生じない場合に限ることになります。

 

なお、「及び」又は「又は」が小括弧の接続に用いられる場合を除いて、絶対に「等」と併用してはいけません。
以下の例文②では「鉛筆又はシャープペンシル」の部分で選択は完結しており、これら一括で一つの語句とみなされるため、「等」との併用が認められます。

 

「等」の使用例

①試験には、鉛筆、万年筆、ボールペン等の筆記用具を持参してください。
(×試験には、鉛筆、万年筆及びボールペン等の筆記用具を持参してください。)

 

②次の遠足には、鉛筆又はシャープペンシル、メモ帳、虫眼鏡等必要なものを持参してください。
(「又は」は「鉛筆」と「シャープペンシル」を接続しているだけなので、「等」と併用してもかまいません。)

 

上記の例を変更して「次の遠足には、メモ帳、虫眼鏡、鉛筆又はシャープペンシル等必要なものを持参してください。」としてしまうと、「等」が全てを受けて「メモ帳、虫眼鏡、鉛筆又はシャープペンシル」等なのか、単に「シャープペンシル」等だけなのか分かりづらくなってしまいます。
どうしても「及び」や「又は」を「等」と併用する場合は、それらを「等」の直前で用いると意味が分かりづらくなるので、列挙する順番にも注意が必要です。

 

「など」と「等」の使い分け

「等」「など」の使い分けについては、「など」の方が柔らかい表現と言えますが、公用文において定まったルールはありません。
ただし、法令では原則として「等」を用います。逆にマスコミでは「等」を用いない傾向にあります。

 

また、読み方での使い分けは存在します。
「等」は「など」と読めないため、「など」と読ませたいときにはひらがなで書きます。
「等(とう)」と読むときには、熟語の一部であると考えられているので漢字で書きます。

 

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「など」と「等」の違い

「など」と「等」の用法に違いはありません。
平仮名の「など」を用いる場合も、ルールは漢字の「等」に準じます。
ただし、「など」を用いる場合は、接続助詞「や」を同時に用いて「AやBなど」という用法もできます。

 

「など」「等」と読点の使い方

「等」や「など」の後には、原則として「、」は打ちません。

明日は、出資額、役員の割当てなど重要な事項を協議する。

 

「など」「等」を別の表現に言い換える

不必要に「等」を乱用すると、あいまいな印象になり、文章が読みにくくなるとともに、内容が不明確になります。
本当にその箇所に「等」が必要かよく吟味し、できるだけ「等」は使用しないようにします。
国語分科会報告書では、「等」をできるだけ使わないようにするため、次のような「関わる」を用いた言い換え方法も紹介されていますが、常に言い換えができるわけではありません。

 

遺跡の保存・活用等の実施
→遺跡の保存・活用に関わる取組の実施

 

また、公用文には正確性が求められます。
想定外の事態に備えた保険のように「等」を乱用すると、拡大解釈ができるようになってしまうので注意してください。

 

「等」が多すぎる例文

△ 道の駅は、野菜の直売所、パン屋、レストラン等があり、市が誘致した地元スーパー等からなる複合的な施設である。また、スーパーの送迎バスやコミュニティバス等が乗り入れる交通結節点としての機能があり、保育園や介護施設等も近接していることから、住民の日常生活等を支える重要な拠点となっている。事業計画の策定等の様々な段階で、市が「個性豊かな賑わいの場」をコンセプトに掲げて、運営等への参加協力の機会を住民等に提供し続けた結果、協働意識が生まれ、多くの住民等が利用している。

 

上記の例文は「等」を9回使っており、ぼんやりとした文章になっています。
下記の例文はその「等」を省いて丁寧に説明した文章です。
「等」を使わずに別の表現言い換えるためには、一つ一つの言葉を丁寧にかみ砕くことも重要です。

 

「等」を言い換えた例

○ 道の駅は、野菜の直売所、パン屋、レストランをはじめとする人気店舗に加え、市が誘致した地元スーパーも入る複合的な施設である。また、スーパーの送迎バス、コミュニティバス及びタクシー等が乗り入れる交通結節点としての機能があり、保育園や介護施設などの公益施設も近接していることから、住民の日常生活等を支える重要な拠点となっている。事業計画の策定や
運営方法の検討段階から、市が「個性豊かな賑わいの場」をコンセプトに掲げて、施設運営や集客戦略について議論する機会を住民や参画企業に提供し続けた結果、協働意識が生まれ、多くの住民や観光客が利用している。

 

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