行政文書開示請求で「一部開示」が認められる場合とは?

行政文書開示請求で「一部開示」が認められる場合とは?

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行政文書開示請求で「一部開示」が認められる場合とは?

1 開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報に係る部分を容易に区分して除くことができ、かつ、区分して除くことにより、当該開示請求の趣旨が損なわれることがないと認めるときは、当該行政文書の全体を不開示とするのではなく、不開示情報に係る部分を削除し、当該不開示情報に係る部分以外の部分について行政文書の開示をすることを定めたものです。

 

解釈・運用
1 「不開示情報に係る部分を容易に区分して除くことができ」とは、開示請求に係る行政文書から不開示情報に係る部分とそれ以外の部分とを区分し、かつ、不開示情報に係る部分を物理的に除くことが、当該行政文書の中の不開示情報に係る部分を記録した状態や一部開示のための複写物を作成するために必要な時間、経費等から判断して、容易である場合をいいます。
行政文書のどの部分に不開示情報が記録されているかという記載部分の区分けが困難な場合や、区分けは容易であるがその部分の分離が技術的に困難な場合( 電磁的記録の場合等) には一部開示の義務がなく、開示しない旨の決定を行なうこととなります。
なお、行政文書の量が多く、時間・労力を要することは、区分・分離の容易性とは関係がありません。

 

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2 「開示請求の趣旨が損なわれる」とは、開示請求に係る行政文書から不開示情報に係る部分を区分して除くと、開示される部分に記録されている情報が公表情報だけとなる場合や無意味な文字、数字等の羅列となる場合などをいいます。

 

3 不開示情報と不開示情報に該当しないものが混在している通常の一部公開の場合と、全体として不開示情報に該当するが、個
人識別性のある部分を除くことにより公開しても支障がなくなる場合とは、性質を異にするので、後者について、別に定めることとしたものです。すなわち、開示請求に係る行政文書の全部又は一部に個人識別情報(不開示情報) が記録されている場合に、個人識別性のある部分とそれ以外の部分とを区分して取り扱うべきこと及びその場合における不開示とする範囲について定めたものです。

 

4 「個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより、公にしても、個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるとき」とは、氏名、住所等の個人識別性のある部分を除くことにより、公にしても個人の正当な権利利益が害されるおそれがないと認められる場合をいいます。

 

5 個人識別性のある部分を除くことにより、公にしても個人の権利利益が害されるおそれがないと認められる場合は、個人識別性のある部分を除いた部分は、個人情報には含まれないものとみなして開示しなければなりません。

 

6 特定の個人であるかどうかを識別するのは、通常氏名及び住所をもって行われているので、氏名及び住所が記録されている行政文書の場合は、おおむね個人情報に該当すると考えられます。ただし、氏名、住所等を削除した場合に、公にしても個人の正当な権利利益が損なわれるおそれがないと認められ、かつ、開示請求の趣旨を損なわずに行政文書の一部を開示することができるときは、当該氏名、住所等を削除したその他の部分の行政文書の開示をすることとします。
なお、氏名、住所等を削除したとしても、他の情報と組み合わせることにより特定の個人が識別できる場合があるため、慎重に検討する必要があります。

 

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