使送便と交換便とは|公務員・役所の郵送物の送り方
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発送(送付)とは
発送とは、浄書・押印の手順を経た文書を、施行として相手方に送ることをいいます。
発送とは、地方公共団体の意思表示の効力を発生させるべき相手方に実際に文書を渡すために行うものであり、決定した意思を伝えるために必要な行為です。
単に意思決定しただけでは、文書の効力は発生しないので注意しましょう。
発送方法の種類
かつては、文書のやり取りはほとんど紙により行っていました。
しかし、現在においては、文書や情報のやり取りは、情報ネットワーク等を利用して電子的に行うこともできます。
そのため現在の発送には、文書管理システムにおける庁内施行の機能を使った送信のほか、電子メール、LGWAN文書交換、FAX等の情報処理システムによる送信、使送、郵送(文書交換便を含む。)、信書便、その他メール便などの方法があり、郵送にも書留、速達、配達証明、内容証明などの特殊な取扱いがあります。
どの方法によるかは文書の内容・性質・緊急性などを考慮して、最適なものを選択します。
庁内においては原則として発送は文書管理システム等の庁内施行機能を使用して行うことが通例です。
また、庁外に対しても、相手方との関係や文書の性質上可能な限りにおいて、電子的に送付します。
文書を電子的に管理することは、検索性の向上など様々な利点があります。
電子的に作成した文書を、紙に打ち出して送付していると、電子化の利点を生かすことができません。
また、受け取った側は紙で管理しなくてはいけなくなるため、自治体全体としての非効率を生むことになります。
そのため送付の際は検討の上、可能な場合はなるべく電子的に送付するといった工夫も必要です。
紙による送付方法
公印が必要な文書等、その性質により電子的に送付することができない場合又は送付の相手方の環境により電子的に送付することができない場合には、紙による送付を行います。
紙による送付には、郵送、文書交換、使送、メール便などの方法があります。
また送付文書等が大量に発生する場合には、文書事務室等に印刷を依頼するなどの工夫もします。
郵送
自治体が庁外に向けて発送する文書の多くは、郵送を利用して送られます。
郵送は、大量、特殊又は緊急なものを除き、各課からの依頼に基づき、文書係が料金後納の方法で一括して処理するのが通常です。
また、文書の郵送を依頼した各課の文書管理責任者は、毎月10日までに前月分の郵便料に係る支出命令書を作成し、郵送事務室に提出しなければなりません。
交換便
交換便(文書交換)とは、文書交換箱や文書交換車等を使って、自治体自らが行政文書の搬送を行う制度です。
交換便には、庁内交換、事業所交換、学校交換、県庁交換などあり、配送先や集配方法などの取扱いについては各文書交換要綱等に定められていることが通例です。
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使送便
「使送」または「使送便」とは、職員が自ら送付先に文書等を持参することをいいます。
緊急に送付すべき文書、受領印を徴する文書又は直接相手に交付する文書等は、職員が直接あて先に持参し、引き渡すことができます。
使送便、交換便、通常郵送の違いをまとめると以下の表のようになります。
使送便 | 交換便 | 通常郵送 | |
---|---|---|---|
送付方法 | 直接持参 | 役所所定のルートによる回送(文書交換車等を使用) | 郵便局経由の郵送 |
運搬者 | 職員自ら | 職員もしくは委託業者 | 郵便局員 |
送付方法の特徴 |
※基本的に以下の文書について使送を行う |
・郵便代がかからない |
・郵便代がかかる(通常は後納郵便) |
※民間で使送をする場合、官公庁と区別する意味で「私送便」と呼ばれていることもあります。
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メール便
郵送や交換便や使送便のほか、民間運送業者が行う配達サービス(メール便)も使用することができます。
メール便を利用することにより料金が低廉になる場合には、できるだけメール便を使用することとします。
メール便の受付は、通常は文書事務室等で行いますが、委託料の支払いについては、各課で行います。
メール便では次に該当する文書を取り扱います。
① 信書以外の文書
信書とは、特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書をいいます。
例えば、請求書、領収書、申込書、申請書といった特定のあて先に対する正式な文書は、信書ですので、メール便では扱えません。
メール便で扱えるのは、書籍、会報、ポスターなど、信書以外の文書です。
ただし、書籍、会報、ポスターなどを送る際に添付する無封の「送り状」については、信書には当たりますが、メール便で送付できるものとされています(「信書に該当する文書に関する指針」(令和15年総務省告示第270号))。
② 個人情報を含まない文書
複数の個人情報を含む文書は、メール便での送付はできません。
③ 再生が困難な原稿や図面類が含まれない文書
施行文書は、通常、特定の受取人に対して意思表示を行う文書(つまり信書)ですので、施行文書の発送手段としてメール便を使用するのは、例外的な場合のみとなります。
電子による送付方法
文書管理システム等の庁内施行機能
文書管理システム等の機能を使用し、庁内の組織から組織に対して文書を送付します。
施行された文書は、送り先の組織の収受対象文書一覧に表示され、そこから収受登録の処理を行うことができます。
庁内において文書の送付を行う場合には、原則としてこの方法で行います。
電子メール
施行する文書がすべて電子的に管理できる場合で、相手方が電子メールによる受信をできるときに、電子メールにより施行文書の送付を行うことができます。
電子メールには、グループウェアを利用したメールと、LGWAN回線を利用したLGWANメールとがあります。(LGWANメールについてはLGWANとは?を参照してください。)。
電子メールで送付できる場合
電子メールによる送付ができるのは、次の要件に該当する場合です 。
(ア) 公印等の押印を要しないこと。
(イ) 職務権限規程等に規定する決裁又は専決事案でないこと。ただし、原本を別に書面で送付する場合を除く。
(ウ) 秘密情報以外のものであること。
※ LGWANメールにより送付できる文書は、グループウェアメールにおけるルールに準じます。
文書管理等システムにおける電子メールの自動送信
文書管理システムにおいて電子メールによる施行を選択した場合、「施行」の処理を行うことにより、文書が指定のメールアドレスに自動送信されます。
ただし、件名やメール本文を自由に設定したりすることはできません。
件名やメール本文等を自由に設定したいときには、自動送信ではなく、グループウェアを使用して手動で送信を行います。
手動で送信を行う場合には、施行方法は郵送扱いとなります。
LGWAN文書交換システム
LGWANとは、「Local Government Wide Area Network(総合行政ネットワーク)」の略称です。
読み方は「えるじーわん」と読みます。
LGWANは、全国の地方自治体を専用回線で結んだネットワークで、自治体間で公文書交換や電子メールのやり取りを行うものです。
LGWANは、国の省庁間を結ぶ霞ヶ関WANとも接続し、自治体と国の利用も可能です。
LGWAN文書交換システムとは、電子署名を利用し、電子的に公文書を送受信できるシステムです。
送付された電子署名付きの公文書は、公印を押した紙の公文書と同じ効力を持ちます。 LGWAN 文書交換システムについては、LGWANとは?を参照してください。
FAXによる送付
送る側と受け取る側双方に設置されているFAXを用いて、文書を送る方法です。
FAXによる文書の送付については、誤送付による情報漏洩の危険が他の手段に比べて高いため、FAXの送信においては送付先の確認や受信の連絡の要求を行うなど十分に注意する必要があります。
FAXは、かつて電子メールを利用した文書の送付が一般的でなかったときには、文書を即時に送付することができる唯一の手段として、広く利用されていました。
しかし、現在においては、公共機関の多くは電子メールによる送受信ができる環境にあり、電子メールの方がより効率的に文書の送受信を行うことができます。
FAXは上記のとおり情報漏えいの危険が伴うものですので、使用に当たっては十分に注意を払う必要があります。具体的には、FAX番号の登録、複数の職員による送信の確認、電話連絡等による受信の確認等により、誤送信を防止します。
送付について起案する際の注意点
文書管理システム等で起案を行う場合
文書管理システム等に施行の登録を行うのは、文書管理システムの機能で送付をするためだけでなく、施行について意思決定し、施行の記録を残すためです。
郵送など、文書管理システムの機能で送付する以外の場合でも、施行の情報は必ず登録するようにします。
送付方法の選択
外部への送付については「郵送/電子メール/LGWAN」の3種類から、庁内への送付については「郵送/電子メール/庁内施行」の3種類から送付方法を選択します。
庁内への送付は、原則として庁内施行により送付するものとします。
電子メールによる自動送信を行う場合は、「電子メール」を選択します。
使送、文書交換便、グループウェアを使用した手動のメール送付など、文書管理システムによる自動送付以外の機能で送付を行う場合は、「郵送」を選択します。
送付文書の作成
文書管理システムにより起案した文書を送付する場合には、送付番号の入った送付鑑を文書管理システムにより作成することができます。
また、それ以外の様式を使用したいときは、外部の電子ファイルを取り込むことができます。
外部の電子ファイルを取り込む場合には、送付番号を確認のうえ、添付文書に手動で番号を入力する必要があります。
あて先、送付先の設定
「あて先」には施行文書に表示されるあて先、つまり効力を発生させるべき相手方を設定します。
ただし、住民等の場合には、個人名は入力せず、単に「申請者」などとします。
送付先には、実際に処理する送付担当者を設定します。
送付の処理
文書管理システムにより起案を行った文書を送付する際は、その送付方法にかかわらず、決定、浄書を行った後に必ず文書管理システムで「施行」の処理を行います。
送付方法が文書管理システムの庁内施行やメールによる自動送付の場合に、処理を行わないと文書が発送されないのは当然ですが、送付方法がそれ以外の場合であっても、「施行」の処理を行わないと、記録上は施行をしていないことになっています。
郵送を選択した場合には、文書管理システムで「施行」の登録を行った後、送付文書を印刷するなどし、実際の送付を行います。
送付番号
起案情報を入力する時点では、送付番号は付番されていません。
そのため、送付文書を文書管理システム外で作成した場合には、後から、送付文書に送付番号を表示する必要があります。
具体的には、起案時に送付番号の予約にチェックを入れたうえで、浄書時に、予約で取得した番号を送付用紙に入力します。
文書管理システム等以外で起案を行う場合
施行の有無、施行先、施行方法などを、起案文書の中に記載します。
決定が終わったら、浄書を行って送付文書を発送します。
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