体言止めに句点はつけない?句読点、括弧、箇条書等の公用文の句読点ルール

体言止めに句点はつけない?句読点、括弧、箇条書等の公用文の句読点ルール

体言止めに句点はつけない?句読点、括弧、箇条書等の公用文の句読点ルール

 

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句点(。)及び読点(、)については、日本語の表記のうえでも基本的なルールが定まっていません。
特に読点(、)については、ルール化は難しい状況にあります。
読点は、あくまで読みやすい文を作るためのものです。
同じ語句であっても、全体の文章の長短によって、読点を打ったり打たなかったりすることもあります。

 

とはいえ公用文については特別なルールがいくつかあるので、以下では最小限の基本原則について整理し解説していきます。

 

句点(。)のルール

文末のとき

文末には原則として「。」を打ちます。
文末が括弧で終わるときも同様です。

 

総務部長の許可を受けなければならない(知事が別に定める場合を除く。)。

 

ただし例外もあります。
例えば法令の要綱における参照条文の括弧書きは、句点の後に来ます。

この法律は、日本国内で行われる取引について適用されるものであること。(第2条)

このほか、国語分科会報告書では、括弧書きの内容が先行する二つ以上の文に係る注釈の場合は、最後の文と括弧の間に句点を打つこととしています。

 

体言止めのとき

文末に体言(活用形のない語、主に名詞)が来る「体言止め」には基本的に句点はつけません。
同様に文末が「~もの」のときはも句点を打ちません。
ただし、次の場合は例外です。

 

① その後に、更に文章が続く場合

前条の規定に違反した者。ただし、・・・を除きます。

 

② ()の中で体言止めに続いて文がくるとき

建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号。以下「区分所有法」という。)第1条の規定に基づき・・・

 

③ 一連の文章中で、文飾のために体言止めにしているような場合

どこまでも続く青い空。そして海。

 

①~③の例外があるため、実質的に体言止めで句点が付かないのは、図や表での説明文が主になります。
体言止めで句点が付かない例

図1 人口推移について:○○市の人口は2010年以降増加傾向 
※図表での説明文で、文章が続かないため体言止めのあとは句点(。)が付かない

 

なお、新聞では字数削減のため体言止めが多用されているため、文章中の体言止めにも「。」を打っていますが、公用文では文章中の体言止めは広報文を除いて基本的に使いません。

 

( )「 」などの括弧内の句点

丸括弧()中も文になっているときは、文末に「。」を打つのが公用文の基本ルールですが、例外もあります。
国語分科会報告書では、解説や広報等においては、丸括弧内の文末の句点を省略することがあるとしています。
また「公文書作成の考え方」では、かぎ括弧「」内が語句や短文の引用であるときは、「。」を打たないこととしています。

 

① 括弧内が名詞で終わるときは、句点は付けません(例1)。ただし、名詞で終わっても、その次に別の文を続けるときは句点を付けて区切ります(例2)

 

例1 自転車放置規制条例(令和○年○○市条例第3号)の規定により駅前広場に自転車を放置することは禁じられています。
例2 改正前の○○条例(平成○年○○市条例第2号。以下「旧条例」という。)で定められていた~

 

② 括弧内で完結する語が動詞であるとき(例1)、又はその他の名詞以外の語であるとき(例2)は句点を付けます。ただし「 」内の引用文が文の形式を成していても、簡単なものは句点を省略することができます(例3)。

 

例1 公園(○○条例第5条に規定する公園をいう。)では、~
例2 困っていそうな住民には「よろしければ、お手伝いしましょうか。」と声を掛けてください。
例3 「気を付け」の姿勢で注目してください。

 

箇条書のとき

基本的に箇条書には句点(。)は付けません。
ただし、単語ではなく文章を箇条書にするときは、句点を付けます。

 

箇条書で句点を付けない例

1 筆記用具
2 受講票
3 テキスト

 

箇条書で句点を付ける例

・・・・ただし、下記事項を守らなければなりません。
1 ○○○○すること。
2 ××××すること。
3 △△△△すること。

 

①箇条書が名詞で終わるときは、句点を付けません(例1)。
ただし、「こと」又は「とき」で終わるときは、必ず句点を付けます(例2、例3)。
また、名詞で終わっても、その次に別の文を続けるときは句点を付けて区切ります(例1)。

 

例1

文書担当は、その所属する課における次の事務に従事する。
(1) 文書の収受に関する事務
(2) 文書の審査に関する事務
(3) 文書の保管に関する事務。ただし、~を除く。

 

例2

ホールを利用する人は、次の事項を守らなければなりません。
(1) 施設を損傷しないこと
(2) 施設内で火気を使用しないこと
(3) 他人の迷惑になるような行為をしないこと

 

例3

自然公園を占用する人は、市長の許可を受けなければなりません。ただし、次のいずれかに該当するときは利用を許可しないことになっています。
(1) その利用が秩序又は風紀を乱すおそれがあると認められるとき
(2) その利用が施設又は設備を損傷するおそれがあると認められるとき
(3) その他修理工事等の必要があると認められるとき

 

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② 完結する語が動詞又はその他の名詞以外の語であるときは、句点を付ける。

左横書きの文書の書き方は、次のとおりである。
(1) 本文は、1字分空けて書き始める。
(2) ただし書は、行を改めない。
(3) なお書き、おって書きは、行を改める。

 

公用文では、このように、体言止めのときの「。」が問題になります。
公用文においては、文末が「~こと」「~とき」のときは「。」を打ちますが、前述のとおり文末がその他の体言又は「~もの」のときは「。」を打たないというのが一般的なルールになっています。
その理由ははっきりしていないので、「ことときはマル、ものはナシ」と丸覚えしてしまうのも手です。

 

注記としての括弧書きの句点の位置

一つの文の最後に注記として( )を付ける場合、どこに最後の句点を付けるかという問題があります。
このような場合は、その文の最後ではなく、その( )の後に句点を付けることになります(例1、例2)。
というのも、その( )もその文の一部と考えるからで、句点は文の完結を示す符号だからです。

 

例1:スポーツルームを利用する人は、市長に申請することにより、その使用料の減額又は免除を受けることができます(○○条例第5条)
例2:スポーツルームを利用する者は、その施設内の備品を利用することができる(ただし、施設長の許可を受けた場合に限る。)。

 

なお二つ以上の文や段落全体に( )で注記を付けるような場合があるが、その場合の( )はその直前の文の一部ではないので、上記の限りではありません。

 

表彰文と証書

表彰文と証書には「。」を打たず、「。」を使うべき箇所を1字分空白にします。

 

題名と件名

題名、件名や標語を掲げる場合には、「。」を打ちません。

実務研修会の開催について(通知)

 

読点(、)のルール

読点については、前述のとおり絶対のルールというものはありません。
次に示すのは、公用文について一般に使われているルールですが、文全体を見て、読みやすくするためには例外も許容されます。
実は横書き公用文には「、」ではなく「,」(カンマ)を使うのが原則(「公用文作成の要領」第3の5の注2)とされていますが、一部の中央官庁(法務省、外務省、文部科学省、宮内庁、消費者庁)を除いてこのルールは無視されており、現在一般には「、」(テン)が使われているようになっています。

 

読点の付け方の原則

読点には、原則として「、」を用いますが、その役割は文の「切れ目」と「係り受けの関係」を明確にして、読みにくさを防ぐことです。
言い換えると、読点は読み手のために付けるもので、書き手が好きに付けるものではありません。
そのため、読点は、必要な所に適切に付けなければなりません。
なお、「係り受けの関係」を示す読点とは、次の例のような文の読点をいいます。

 

例1:彼は、泣きながら逃げる彼女を追いかけた。
例2:彼は泣きながら逃げる彼女を追いかけた。
例3:彼は泣きながら、逃げる彼女を追いかけた。

 

読点のない例2のような文では、泣いているのが「彼」なのか「彼女」なのか分かりません。
例1のように「彼は」の後に読点があると、「泣いている」のは「逃げる彼女」であることが分かり、「彼は」は「追いかけた」に係っていることが分かります。
ちなみに「泣いている」のが「彼」の場合であれば、「泣きながら」の後に読点を付けると、そのことが分かりやすくなります(例3)。

 

また、次の例1、例2のような文章も読点で意味が変わります。

例1:次長及び係長で、市長が指名する者は、文書事務研修に参加しなければならない。
例2:次長及び係長で市長が指名する者は、文書事務研修に参加しなければならない。

 

例1の文は「市長が指名する者」は「次長及び係長」の職にある者のうちからであることは分かりますが、例2の文はそうとは断言できません。
例2では、次長の職にある者は全員、市長が指名するのは係長の職にある者、という意味にも解釈できます。
このように、読点の付け方によって、文の意味が変わることに留意します。読点が文意を決定するのです。

 

単文の主語の後

単文(「主語+述語関係」が1箇所しかない文をいいます。)の主語の後には、「、」を打ちます。
単文ではなく、条件句などの挿入句がある場合は、挿入句の主語の次には読点を付けません。
主語の後に「、」を打つことにより主語が明確化され、特に長い文章の場合、その意味がとても分かりやすくなります。
単文の例

この条例は、公布の日から施行する。

 

挿入句の例

市長は、市営球場を利用する者がこの条件に違反したときはその利用許可を取り消すことができる。

 

上記の例の「市長は」が主たる主語であって、「市営球場を利用する者が」が挿入句の主語です。
このように、主たる主語には読点を付けて、挿入句の主語には読点を付けません。

 

また、主題を表す助詞のついた文節など主語に準ずる場合(「~については」等)も同様です。
文法学上の主語ではなくても、主題を示す語の次にも読点を付けるのが原則です。

業務改善については、至急その具体案を取りまとめなければならない。

公用文で多用する「~については」は、主語ではありませんが、主語に準じた使い方をしています。
文頭に「~おいては」や手段を示す「~は」などが置かれる場合も同様に「、」を打ちます。

 

一方、主語の後でも、叙述が簡単で打たなくても分かる場合や、重文(「主語+述語」が2箇所以上ある文をいいます。)など打たない方が文の構造がはっきりする場合は、「、」を打ちません。

・夏は暑い。
・彼は、身長は180センチメートル、体重は90キログラムあります。

 

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また、格助詞「が」の付く主語には、単文の主語でも原則として「、」を打ちません。

・彼がその事務の担当者である。
・詳細については、首長が定める。

 

さらに、並列に使う副助詞「も」が付く主語にも、原則として「、」を打ちません。
ただし、後に文章が続きとき、後の部分が長いときは「、」を打つこともあります。

私たちも応援に向かいます。

 

「対句」の主語にも、次のように読点を付けません。
対句のような場合、読点を付けない方が、どの文節とどの文節が対応しているか分かりやすいからです。

都道府県は副知事を、市区町村は副市長村長を置くことができる。

 

名詞を列挙する場合は打つ

名詞を列挙する場合には「、」を打ちます。
名詞を列挙するときに「・」(中点)を用いることもありますが、公用文では原則として「、」を用います(中点は固有名詞や外来語・外国人名の中で単語を区切りたいときに用いる)。

航空機、船舶、電車、自動車などの交通機関

 

ただし、かぎ括弧で囲まれた語句を列挙する場合は、法令を除いて「、」を省略することができます。

明日の会議では、「来年度の主要施策」「予算の基本方針」などを議題とします。

 

また、「及び、又は」などの接続詞や、「と、や、か」などの助詞を使って名詞を並列する場合には、「、」は打ちません。
名刺の列挙については「「及び」「又は」「並びに」と句読点の使い方」も参照してください。

都道府県及び市区町村

 

動詞の連用形の後

動詞の連用形「~し」の後に(用語が付かないとき)は、原則として「、」を打ちます。

・諸般の事情を勘案し、最終決定を行う。

「~し」などの連用形で続く動詞(「連用形止め」又は「中止法」)の後には「、」を打ちます。

 

ただし、助詞「て」が付いて、「~(し)て」と変化した場合は、原則として「、」を打ちません。

諸般の事情を勘案して最終決定を行う。

 

また、法令文中の「~に関し」や「~に対し」も後にも、慣用上「、」を打たないことが多いです。

30日以内に首長に対し提出しなければならない。

 

また、動詞を列挙して記述する場合には、その列挙する語が二つであっても、「及び」「又は」など接続詞の前に読点を付けます(例1)。
三つ以上の語を列挙する場合は、前に列挙する語は読点でつなぎ、最後の二つのつなぎにも読点を付けて、接続詞を用います(例2)。
この原則は、接続詞に準じる「その他」「その他の」で動詞を列挙する場合も同様です。さらに、動詞句、形容詞句又は副詞句を列挙して記述する場合も同様です(例3)。

例1 市長は、次の条件に該当するときは、使用料を減免し、又は免除することができる。
例2 建設資材を製造し、販売し、及び輸出するもの
例3 地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、条例によらなければならない。

 

接続詞の後には打つ

文の始めに置く接続詞の後には「、」を打ちます。

したがって、この件は
しかし、それには賛成できない。

 

この場合、そのすぐ後に短い主語がくるときは、主語の後の「、」は省略することができる。

しかし、私はそれには賛成できない。

 

この他、「ただし」「なお」「すなわち」などの接続詞も同様に、後に「、」を打ちます。
「この場合において」といった接続詞句も同様に、後に「、」を打ちます。
一方、「仮に」「もし」「例えば」「特に」などは、副詞であって接続詞ではないので、基本的に後に「、」は打ちません。
ただし、これらの副詞と修飾される語句の間に他の句や節がある場合は「、」を打ちます。

 

文中の接続詞「かつ」の句点

接続詞「かつ」は、二つの動作又は状態が並行して行われることを表す語で、「同時に」「その上」と同じ意味で用いられます。
この「かつ」で、句と句をつなぐときは、「かつ」の前後に句点を打ちます(例1)。
一方、句ではなく、単語と単語をつなぐときは、句点を打ちません(例2)。

 

例1 市長は、その指針を策定し、かつ、これを公表しなければならない。
例2 委員会は、民主的かつ効率的な運営を徹底しています。

 

接続助詞の後は打つ

接続助詞の後は「、」を打つのが原則です。
「ので」「と」「から」「が」「けれども」等の順接又は逆接を表す接続助詞は「、」を打つことが多いです。
前置きを表わす「が」も同様に「、」を打ちます。

・外に出てみると、雨が降っていた。(順接)
・準備も必要であるが、行動も必要だ。(逆接)
・明日試験結果の発表があるが、期待したい。(前置き)

 

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重文の場合、主語の後には打たない

重文と条件節は主語が二つある文章のことで、どちらの場合も各主語の後に「、」を打ちません。
ただし二つの文章をつなぐ、「~すれば」「~だが」等の後には「、」を打ちます。
「~にあっては」「~場合は」などが複数用いられる文も同様です。

彼が賛成すれば、私はやりやすくなる。(条件節)
私は賛成だが、彼は反対だ。(重文)
雨が降った場合は延期で、雪が降った場合は中止だ。(複数の場合)

 

上記の例でいえば「私は、賛成だが、彼は、反対だ。」とはしません。
ただし、主語が長文化したときなど、「、」を打った方が分かりやすくなる場合は打っても許容されます。

 

挿入句の前後には「、」を打つ

部長は、多くの職員が知っていることであるが、今月で退職するため、仕事をする気がない。

 

例文も重文ですが、「多くの職員が知っていることであるが」の主語は、「部長は」ではないので、この部分は挿入句です。
この場合は、挿入句の前後に「、」を打つルールから、重文であっても「部長は」の後にも「、」を打つことになります。
また、例えば、条件を表す「条件句」が二つ以上あるときは、以下の例のように一つずつ読点で区切って書くことになります。

市長は、利用者がこの規則に違反したとき、又は係員の指示に従わないときは、その利用の許可を取り消すことができる。

かぎ括弧「」+「と」の後

かぎ括弧で囲まれた会話等の部分の次の置かれる格助詞「と」の後には、次に続く語句が「言った」「思った」「考えた」などのときは「、」を打ちませんが、それ以外のときは原則として「、」を打ちます。

彼は、「必ず試合に勝つ。」と言った。
「必ず試合に勝つ」と、私は、内心思った。

 

限定、条件を表わすときは打つ

限定、条件などを表す語句の後には、「、」を打ちます。

令和3年3月31日までに生まれた者で、中学校を卒業したもの

 

被修飾語と離れているときは打つ

副詞的語句が被修飾語と離れているときは「、」を打ちますが、直接係っているときは「、」を打ちません。
読点には、読点に囲まれた部分を読み飛ばしても文脈が通じる機能があるためです。

 

・昨年、資格取得のため、退職した。
・資格取得のため、昨年退職した。

 

同格的用法でも「、」を打てる

読点には、同格的用法があり、「すなわち」という意味を読点に代替させることができます。

 

この問題に関する受け止め方の違い、温度差がある。

 

縦書きのとき

縦書きの文で漢数字を使うとき、けたを示す符号として使います。

 

表彰文と証書

表彰文と証書には「、」は打ちません。

 

その他

その他、読み違いや読みにくさを避けるために必要な場合には「、」を打ちます。

ここで、はきものを脱いでください。

 

「で」「であって」の句点

「で」又は「であって」の後に続く説明の字句が長いときは、「で」又は「であって」の後に「、」を打って、文意が分かりやすいようにするのが一般的です(例1、例2)。
ただし、読点を付けたために「係り受けの関係」で文意が変わるようなこともあるので、注意が必要です。

 

例1 市内に住所を有する者であって、40歳以上のもの
例2 市内に住所を有する女性であって、今年度の○○ワクチンの接種を希望する人は、医療機関において接種を受けるようにしてください。

 

見出し番号の後は打たない

文書中で項目の順序を示す番号の後には「、」は打ちません。
「1、・・・」「(1)、・・・」のように見出し番号の後に読点を打つのは誤りです。
見出し番号の後は読点やピリオド(.)を打たず、代わりに1字分空けるのが原則です。

 

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区切り符号のルール

一般に使用される区切り符号・記号

区切り符号として公用文に用いるのは、従来「。、・()「」『』」の6種類でしたが、「公用文作成の考え方」では新たに「【】」が用いることができるようになり、逆に「『』」は原則として用いないこととされました。
以下では用法をご紹介します。

 

・(なか点)

① 事物の名称を列挙する場合に、名詞相互が密接不可分な場合などに使います。

委員長・委員
かつお・まぐろ漁業

 

② 2語以上からなる外来語、外国の地名・人名を書き表す場合に、語の切れ目を示すために使われます。

アダム・スミス  ファイリング・システム

 

,(カンマ)

アラビア数字で数を表す場合に,けたを示すために使います。また、横書きの文で読点として使われます。

1,000,000円

 

.(ドット)

アラビア数字で数を表す場合に、小数点として使います。

67.5キログラム

 

( )(丸括弧)

丸括弧の用法は多様ですが、多くは、直前の語句の定義や説明など注記するときに用います。
注記の中で更に注記をする場合にも、更に括弧を使います。
一つの文に注記を付ける場合には、その文の句点の前に注記を付けます。
段落の全体や文章の全体など二つ以上の文に注記をつける場合は、注記はすぐ前の文の句点の後に付けます。
丸括弧は必要に応じて二重に用いることができますが、括弧を使いすぎると文章が分かりにくくなりますので、できるだけ使わないで済むような工夫をします。
また「例)」のように片括弧でも用いることもできます。

文書係に引き継ぎます(ただし、○○は引き継ぎません。)。
・・・を調査します。調査後は結果を公表します。(調査は毎年1回実施します。)

 

「 」(かぎ括弧)

かぎ括弧は、会話を引用するとき、語句を強調するときに用います。
丸括弧と同様、必要に応じて二重に用いることができます。

 

【】(隅付き括弧)

新たに加えられた隅付き括弧は、項目を示したり、強調すべき点を目立たせたりするときに用います。

 

々(繰り返し符号)

「々」は「同の字点」と呼ばれ、符号であって文字ではありません。
繰り返し符号は、公用文では、原則として「々」のみを用います。
「々」は、全く同じ意味の語が連続するような漢字の繰り返しの場合にのみ使います。
同じ語が続いたとしても、その続く語が異なる意味で用いられている場合は、繰り返し符号は用いないため、「民主々義」のように単語をまたいで繰り返すことはできません。

 

人々  年々  日々
国々 若々しい 近々に 
民主主義(×民主々義)
学生生活(×学生々活)
審査会会長(×審査会々長)
委員会会則(×委員会々則)

 

また、公用文では「一歩々々」のように2字以上を繰り返すことはできないため、次のようにそのまま書きます。

ますます 一つ一つ 一人一人 一歩一歩 知らず知らず 繰り返し繰り返し

 

下線(傍線)

公用文では、強調したい場合など、下線(縦書きでは傍線)を用いることができます。
ただし傍点は公用文では使えません。

 

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一般には使用されない区切り符号

次に例示する符号は、多用を避け、できるだけ使わないようにします。
ただし、これらを使うことによって公用文がより理解できるようになる場合などは、使うことができます。
これら以外の符号を使うときは、文中で凡例によりその意味を明らかにします。

 

矢印(→ ⇒ ⇔)や箇条書に用いる丸、四角等の符号(・ ○ ● ◎ ◇ ■等)は文書内で用法を統一すれば用いることができます。
なお、Q&A(問答集)などで「&」(アンパサンド)を用いることがあります。
このように「公文書の考え方」において、符号の使用はかなり自由化されています。

 

『 』(二重かぎ括弧)

従来、かぎ括弧の中で更に明示する必要のある事物の名称や語句を示すために使っていましたが、かぎ括弧は二重に用いることができるので原則としては用いません。
「解説・広報等」において、かぎ括弧の中で会話の引用が二重になっているときに用いることができるされています。

 

〔 〕(かく型括弧)

 

{ }(くくり型括弧)

語句の説明や言い換えをする場合に使います。

 

~(波型)

表の中などで、「・・・から・・・まで」という意味を示す場合に使います

 

-(ハイフン)

 

→(矢印)

 

くくり

※2行にまたがる (  { のこと

 

〃(繰り返し符号)

繰り返しを表わす「〃」(ノノ点)は、表などで用いることがあります。
文字の反復符号(踊り字)は、漢字では「々」を用いますが、平仮名や片仮名の「ゝ」「ヽ」は用いません。
「同」の古字「仝」も用いません。

 

※(米印)

 

?(疑問符)!(感嘆符)

「?」(疑問符)及び「!」(感嘆符)については、「解説・広報等」において、発言をそのまま記載する記録において必要に応じて用いることができるされています(文末に付けた符号の後は、1字空ける)。

 

まとめ

句点(。)及び読点(、)については、日本語の表記のうえでも基本的なルールが定まっていない。
読点は、あくまで読みやすい文を作るためのもの。

 

句点(。)の一般的なルール
使う場合・・・文末(括弧やかぎ括弧の中でも)、題名や件名や標語、文章の箇条書
使わない場合・・・文末が体言止めのとき、単語の箇条書
【例外】文末が体言止めの後に更に文章が続く場合、()の中で体言止めに続いて文がくるとき、文飾のために体言止めにしているような場合は句点(。)を打つ。

 

読点(、)の一般的なルール
使う場合・・・単文の主題後、名詞を列挙する場合、動詞の連用形の後、文の始めに置く接続詞や副詞の後、限定、条件などを表す語句の後
使わない場合・・・叙述が簡単な場合、重文など打たない方が分かりやすい場合、「及び、又は」などの接続詞や「と、や、か」などの助詞を使って名詞を並列する場合、「~して」の後、
※ただし、読点(、)は読みやすくするためには例外も許容される。

 

一般に使用される符号・記号
・(なか点)、,(カンマ)、.(ドット)、( )(括弧)、「 」(かぎ括弧)、々(繰り返し符号)

 

一般に使用されない符号・記号
『 』(二重かぎ括弧)、〔 〕(かく型括弧)、{ }(くくり型括弧)、~(波型)、-(ハイフン)、→(矢印)、くくり、〃(繰り返し符号)、※(米印)

 

 

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