文書の到達と配付の考え方とは

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文書の到達と配付の考え方とは

意思表示に関する到達主義

民法は、離れている人に対する意思表示の効力の発生時期について、到達主義を採用しています(民法第97条第1項)。
一般に、行政庁に対する意思表示についても、到達主義が適用されます。
したがって、意思表示が行政庁に到達したとき、自治体は、相手方の意思表示に対し、必要な事務を処理すべき義務が発生します。

 

なお、到達主義は、相手方がその意思表示の内容について知ろうと思えばいつでも知りうる状態となった時に、その効力が発生するというものです。
したがって、次の時点で意思表示の効力が発生します。
(1) 郵送や文書交換によって文書交換室に届いた時
(2) 担当の課に直接到達したときは到達の時
(3) 担当でない課に直接到達したときは、そこに到達した時
(4) 時間外に到達したときは、宿直室に到達した時
(5) 電子メールにおいては、メールサーバにメールが到達した時
(6) 文書管理システムの庁内施行においては、到着文書として収受対象文書一覧に表示された時
(7) LGWAN文書交換システムにおいては、LGWAN文書交換サーバに文書が到達した時
(8) 電子申請においては、自治体の機関の使用に係る電子計算機に備えられたファイルへの記録がされた時
(9) ファクシミリで受信する場合においては、ファクシミリ本体に当該データが記録されたとき(紙に出力されたときではありません。)

 

以上のように、その文書を処理すべき担当課の職員が文書の内容を実際に確認する時と、到達したものとして意思表示の効力が発生する時期とは、必ずしも一致しません。

 

たとえば、メールなどにおいては、受け取った人がメールを開いていなくても、法律上は「見られる状態になったとき」に到達したことになっています。
また、間違って担当課以外の部署に届いたときでも、その部署に届いた時点で自治体に到達したことになります。
そのため、文書の取扱いには十分注意し、迅速に処理しなければなりません。

 

本庁舎に到達した文書

郵送、文書交換便等で本庁舎に到達した紙文書は、文書担当係が受領し、次のように処理します。
(1) 通常の文書
配付先が書かれている文書は、そのまま担当の課に配付します。
配付先不明の封書は、開封して配付先を確認し、担当の課に配付します。
また、この場合において、文書が2課以上に関連するときは、最も関連の深い課に配付します。

 

(2) 書留文書
書留文書は、書留文書配付簿に配付先と件数を書いて、配付します。
書留文書を受け取った者は、書留文書配付簿に受領印を押します。
様式は自治体ごとに定めます。

 

(3) 金券付きの文書
金券つきの文書は、配付された各課で金券処理票により処理します。
様式は自治体ごとで定めます。

 

(4) 文書の配付
文書の配付は、文書担当係の配送員により行います。
ただし、重要な文書又は秘密若しくは即決を要する文書については例外です。
これらの文書については、文書交換室を通さずに、担当課に直接配付することができます。
また、文書担当係の配送員以外の者が配付することもできます。

 

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各事務事業所に到達した文書

各事務事業所に直接到達した文書や文書交換によって配付された文書は、各事務事業所が本庁舎に到達した文書と同じ処理を行います。
各事務事業所等に到達した文書の配付については、各事務事業所処務規程等で別に定めます。
ただし、市長、副市長あての親展文書とその事務事業所が担当の課ではない文書は、文書担当係又は担当の課へ回送します。

 

勤務時間外に到達した文書

時間外に到着した文書は、宿直者が次のように処理するものとします。
(1) 処理を急ぐ文書は、その概要を担当の部長か課長に連絡し、その指示を受けます。
(2) 速達の親展文書その他至急の親展文書は、速やかに名あて人に連絡し、その指示を受けます。
(3) 到達の日時が権利の得喪に関係のある文書は、到達の日時を宿直日誌に書きます。
(4) 金券付きの文書は、厳重に保管します。

 

電子で到達した文書の配付

文書の受領は、情報処理システムを介し、電磁的記録で行うこともできます。
ただし、自治体に対する申請、届出等に係るもので、本人確認が必要な文書や、改変がないことを確認しなければならないような文書の受信を行う情報処理システムについては、事前に統括文書管理責任者の承認を得なければなりません。

 

意思表示に関する到達主義のとおり、到達主義においては、電磁的記録は受信者が内容を見ていなくても、見られる状態になったとき、つまり自治体のサーバに到達した時点等で意思表示の効力が発生します。
到達から受領までの時間差をできるだけ少なくするため、情報処理システムへの着信(ファクシミリを含みます。)の確認は、定時に行わなければなりません。

 

(1) 文書管理システムの庁内施行で到達した文書
庁内から文書管理システム上の庁内施行機能で送付される文書は、直接その処理を担当する組織に送付されますので、受け取った組織で収受登録を行います。
自分の組織が担当する業務に係らない文書が到着した場合は、送付を行った施行担当者が送付を引戻しのうえ再度送付しなおすか、次の方法で本来処理をすべき担当組織に転送します。
転送を行う場合は、収受登録画面で管理組織と収受担当組織を本来の処理担当組織に変更し、一時保存を行います。これにより、最初に到着した組織の未収受文書一覧からは消え、本来の処理担当組織の未収受文書一覧に文書が表示されます。

 

(2) 電子メールで到着した文書
電子メールは、送付担当者が指定した送付先に直接送付されます。
到着した組織の担当事務ではない場合は、担当する組織に転送します。

 

(3) LGWAN文書交換で到着した文書
LGWAN文書交換で到着した文書は、文書取扱主任が文書管理システム上で受領を行い、その事務を主管する組織に転送します。

 

(4) 電子申請で到着した文書
電子申請で到着した文書については、事務担当者が所定の手続により、処理します。

 

(5) フロッピーディスク等で受領した文書
特別の事情があるときは、フロッピーディスク等の媒体を使い、電磁的記録を受領することができます。
この場合において、収受登録が必要なときには、速やかに文書管理システムに当該記録を登録し、収受登録を行います。
例外的に、媒体のまま管理する必要がある場合には、文書管理システムに必要な目録情報等を入力したうえで、当該媒体は適切に管理を行います。

 

(6) ファクシミリで到着した文書
ファクシミリに着信した記録は、速やかに出力し、紙に記録します。この場合において、出力した紙は、紙で到達した文書と同様に収受の処理を行います。
しかし、ファクシミリによる送受信は、誤送信による情報漏えいの危険性が伴うだけでなく、受け取った後にスキャナによる電子化の手間が発生することになります。
行政機関同士のやりとりなど、電子的な送受信が可能な相手方であれば、積極的に電子的な送受信に切り替えていくようにしましょう。
ファクシミリでの送受信ができる文書というのは、公印を押す必要がない文書ということになります。
したがって、ファクシミリによる送受信ができるもので、電子メール等による送受信ができないものは、基本的にはないはずです。

 

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