公文書における「引用」と「著作権侵害」とは

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公文書における「引用」と「著作権侵害」とは

文書を作成するに当たって、内容の正確性を高めたり、より分かりやすい表現を行うために、参考文献等の資料を利用することがあります。
しかし、その引用や複製については、悪意がなくても、場合によっては著作権侵害になる場合がありますので、注意が必要です。

 

著作権とは

著作権とは、大まかにいうと、その著作物を「他人に無断で利用されない」権利です。
特許権等とは違い、「申請」「登録」などの手続をしなくても、著作物が作られた時点で自動的に付与されます。
著作権は、その著作物によって得られる経済的な利益の保護だけを目的としているわけではなく、その「表現」自体を保護しているものですので、無料で公開されているものであっても、著作権は保護されています。

 

保護されている権利

著作権として保護されている権利には、さまざまなものがあります。
業務でその侵害に気をつけなければならないものとしては、複製権(無断で複製されない権利)、公衆送信権(無断で公衆に送信されない権利)等があります。

 

著作物を複製して公衆(不特定の人又は特定多数の人)に配布したりする行為は、著作権侵害になることがありますので、十分注意してください。

 

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著作物等を例外的に許諾を得ずに利用できる場合

著作物を利用する場合は、著作権者の許諾を得ることが原則ですが、一定の「例外的」な場合には、無断で著作物を利用することができます。
以下は、その例外的な場合の一部です。

 

ア 私的使用のための複製
限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用する場合、使用する本人が著作物を複製することができます。

 

イ 引用
公正な慣行に合致し、引用の目的上正当な範囲で行われる場合は、自己の著作物の中に他人の著作物を引用して利用することができます。

 

ウ 教育機関での複製
営利を目的としない教育機関で教育を担任する者及び授業を受ける者は、授業で使うために著作物を複製することができます。
ただし、著作権者の利益を不当に害する場合を除きます。

 

<著作権法>
(学校その他の教育機関における複製等)
第35条 学校その他の教育機関(営利を目的として設置されているものを除く。)において教育を担任する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表された著作物を複製することができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

 

2 公表された著作物については、前項の教育機関における授業の過程において、当該授業を直接受ける者に対して当該著作物をその原作品若しくは複製物を提供し、若しくは提示して利用する場合又は当該著作物を第38条第1項の規定により上演し、演奏し、上映し、若しくは口述して利用する場合には、当該授業が行われる場所以外の場所において当該授業を同時に受ける者に対して公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。

 

エ 点字による複製等
著作物を、点字により複製すること、パソコン点訳の点字データを蓄積、公衆送信することができます。

 

オ 情報公開法等における開示のための利用
情報公開法等に基づき情報(著作物)の開示を行う場合、必要な限度で著作物を利用することができます。
したがって、情報公開条例上の行政文書開示請求に応じて、開示を行う場合には、開示するために必要な範囲で著作物の利用が認められています。

 

<著作権法>
(行政機関情報公開法等による開示のための利用)
第42条の2 行政機関の長、独立行政法人等又は地方公共団体の機関若しくは地方独立行政法人は、行政機関情報公開法、独立行政法人等情報公開法又は情報公開条例の規定により著作物を公衆に提供し、又は提示することを目的とする場合には、それぞれ行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法、独立行政法人等情報公開法第15条第1項に規定する方法(同項の規定に基づき当該独立行政法人等が定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項の規定に基づく政令で定める方法以外のものを除く。)を含む。)又は情報公開条例で定める方法(行政機関情報公開法第14条第1項(同項の規定に基づく政令の規定を含む。)に規定する方法以外のものを除く。)により開示するために必要と認められる限度において、当該著作物を利用することができる。

 

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