「から~まで」「たり~たり」の用法・使い方|公文書・公用文の書き方
公用文を書くときに、以下のような語句は間違いやすので注意します。
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「から」と書いたら「まで」と書く
文語体では、期間や数量の範囲を示すのに、「10万円乃至(ないし)20万円の金額で購入する」「1月ないし3月の期間」という表現をしていた名残で、口語体でも「10万円から20万円の金額で購入する」「1月から3月の期間」といった「まで」抜きの表現が良く見受けられます。
公用文では、「乃」が常用漢字表にないため、「乃至」という漢字自体が使えません。
「ないし」と平仮名であっても、文語体であり、「又は、若しくは」の意味と紛らわしいので、使わない方がいいでしょう。
そのため、口語体でものの範囲を示す場合は「から~まで」を用います。
そして「から」を使った後は必ず「まで」で締めます。
範囲を示す場合は、必ず「~から~まで」と表現し、後の「まで」を落とさないよう注意します。
「まで」を省略しても意味が通じることが多いため、省略されがちですが、「まで」を入れるのが正しい表現です。
【具体例】
第1章から第3章までを暗唱しなければならない。
「たり」と書いたらもう一度「たり」と書く
「たり」を用いて二つの事柄を列挙する場合は、一つ目に「たり」を付けたら、二つ目にも必ず「たり」を付けます。
「たり」は、対句を示す助詞なので、片方だけに用いるのは誤りです。
例
・施設内では、立ち入り禁止区域に立ち入ったり、設備を無断で使用したりしないでください。
・円安が進むと、物の値段が高くなったり、日本の株価が上がったりする(×上がる)可能性がある。
このように「たり」を繰り返し付けるのがルールです。
「たり」を付けることで、くどく冗長になってしまう場合は、途中で文章を区切って接続詞でつなぐ方法もあります。
なお、「たり」を二度繰り返す構文に違和感がある場合は、「~とともに」を代用できます。
ただし「休日には、映画を観たりしています」のような、列挙をしない場合は、一つの事柄に「たり」を付ける使い方も許容されます。
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