「共に、ともに」「程、ほど」「もの、物、者」の使い分け方|公用文漢字
「共に」と「ともに」の使い分け方
公用文での「ともに」は、動詞か名詞に付く場合はひらがなで書きます。
ただし、名詞が人の場合は漢字で書くのが慣例です。
副詞の場合は、漢字で書きます。
例
申請書を提出するとともに~(動詞に付く場合)
申請書とともに~(名詞に付く場合)
上司と共に~(人に付く場合)
申請書と添付資料を共に提出する。(副詞の場合)
「とともに」は平仮名
公用文では、「とともに」は平仮名で書きます。
前述のとおり副詞の場合は「共に」と漢字で書き、「一緒に」という意味で用いられます。
一方、「とともに」は、名詞と名詞をつなぐ場合は「報告資料とともに検討資料を作成する」というように、本来の「一緒に」という意味ですが、動詞をつなぐ場合には「報告するとともに説明を行う」というように、「同時に」という時間的な意味に変わっています。
こういった事情から、助詞「と」と副詞「ともに」が合体した「とともに」は、常に平仮名で書くことが慣例になっています。
ちなみに、「公用文における漢字使用等について」において、平仮名で書くものとして次の例が挙げられています。
例:説明するとともに意見を聞く。
「程」と「ほど」の使い分け方
「ほど」は助詞として用いる場合や、助詞に準ずる用い方をする場合はひらがなで書きます。
漢字で書くのは、「程」が完全に独立した名詞として用いられる場合のみです。
「故」も同様で、「故あって」「故なく」は漢字、「~のゆえ」「それゆえ」などはひらがなです。
ちなみに「度」は漢字なので「この度」などと書きますが、「一度」は「いちど」と読まれるので、「一たび」と書きます。
例
・1週間ほどかかる。
・彼ほど、仕事好きの者はいない。
・覚悟の程を見せる。
・程を心得る。
「もの」「物」「者」の使い分け方
「物」は物品を、「者」は人を、「もの」は抽象的なものを指します。
使い分けとしては「物」でも「者」でもないものには、「もの」を用います。
ただし、限定を表す「~で~もの」の構文に限り、人であっても「者」ではなく「もの」とひらがな表記します。
例文
東京都在住の者で未成年を扶養しているものは、申請してください。
スポンサードリンク