自己情報開示請求の具体的な方法|請求に対しての決定の種類は?

自己情報開示請求の具体的な方法|請求に対しての決定の種類は?

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自己情報開示請求の具体的な方法|請求に対しての決定の種類は?

(請求の方法)
開示等の請求をしようとする者は、実施機関に対し、本人又は法定代理人等であることを明らかにして、次に掲げる事項を記載した請求書を提出するものとする。
(1) 氏名及び住所
(2) 自己情報を特定するための事項
(3) 請求の趣旨
(4) ほか、規則等で定める事項

 

【説明】
1 自己情報の開示等の請求は、請求する権利の行使に対して、実施機関に可否の決定という行政処分を法的に求める手続であり、不開示等の決定の場合は、将来争訟につながることも考えられるため、その事実関係を明らかにしておく必要があります。このため、開示等の請求は、規則等で定めた「自己情報請求書」に必要事項を記載して行います。
2 開示等の請求は、本人が行うことが原則です。本人以外の者の請求に応じることは、個人情報を漏えいすることになります。したがって、本人であるか否かの確認は、厳格に行う必要があります。
「本人又は法定代理人等であることを明らかに」するには、次の方法により行います。
(1) 身分を証明するものとして、次のいずれかを提示してもらいます。
① 運転免許証
② 旅券
③ 住基カード(顔写真付のもの)
④ 在留カード
⑤ その他官公署の発行した免許証又は身分証明書等で、写真に浮き出しプレスによる証印のあるもの又は写真を特殊加工してあるもの
(2) 郵送照会により確認します。
(1)によるものを提示できないときは、本人に対し、請求の事実について郵送等の方法により文書で照会し、その回答書を本人が持参することによって、請求者を本人と確認します。

 

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【運用】
1 開示・訂正・削除の請求の受付は、請求の対象となる個人情報を保有する各課で行います。利用中止の請求は、原則として目的外利用や外部提供に係る個人情報を保有している課に対して行いますが、目的外利用の場合は、利用している課で行うこともできます。
2 次のような場合には請求書は受理できませんので、他の方法等があればよく説明し、理解を得るよう努めます。
(1) 請求に係る自己情報を管理していないとき。
(2) 他の法令等で定める手続により、自己情報の開示・訂正・削除・利用中止請求ができるとき。
(3) 請求者が本人であることを確認できないとき。
3 請求書の受理は、次の要領で行います。
(1) 請求者がどのようなことを求めているのか、請求の趣旨を確認するため、十分聴取りを行い、請求の対象となる個人情報を特定します。
(2) 請求の趣旨が条例に基づかなければ得られないものであるかどうかの確認をします。
(3) 他の法令等で、閲覧、訂正等ができるものであれば、当該法令等によるべき旨説明し、また従来から窓口対応で、閲覧、訂正等に応じてきたものであれば、この条例の施行にかかわらず、従来どおりの方法で閲覧、訂正等を行います。
(4) 従来から窓口対応で、閲覧、訂正等に応じてきたものではないが、本人の「見せてほしい」とか、「訂正してほしい」という申出に対して、「見せること」や「訂正すること」が実施機関として異論がないときで、本人確認が可能であるときは、条例によらず、対応できます。
(5) 条例による請求を行う場合は、「自己情報開示等請求書」に必要事項を記入してもらいます。
(6) 請求書の記載事項に書き漏れ、誤り及び不明な点がないか確認して、不備があれば補正するよう指導します。※補正後、請求書を受理します。受理した日から開示請求にあっては15日以内、訂正、削除及び利用中止の請求にあっては20日以内に当該請求に対する可否を決定します。補正に要した日数は決定期間には含めません。
記載事項の確認は、次の点に留意します。
① 請求者欄は、請求者を特定し、決定通知の送付先を特定するために、正確に記載されているかを確認します。
代理人による請求の場合は、請求者本人の氏名、住所、連絡先のほかに、代理人氏名、住所、連絡先を記載します。
② 請求書は、4種類の請求について使用するようになっているので、請求の種類について〔□開示・□訂正・□削除・□利用中止〕欄に「レ印」を記入します。
2種類以上の請求を同時に行う場合(開示請求と訂正請求等)は、別々の請求書を提出してもらいます。

 

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③ 請求の住分欄は、請求の種類によって該当する「□」に「レ印」が記入されているか確認します。
④ 自己情報の件名欄は、請求する自己情報を特定するために必要な事項が具体的に記載されているか確認します。
なお、開示請求で、「自治体が保有する自己情報すべて」又は「○○課にある自己情報すべて」という請求は受けられませんので、注意が必要です。このような請求に応じるためには、個人別の検索リストが必要であり、そのようなリストを作成することは、個人情報保護の趣旨に反することになるからです。
このような請求があったときは、この旨をよく説明し、理解を得るようにします。
⑤ 請求の趣旨欄は、訂正、削除、利用中止の請求にあっては、請求する趣旨が具体的に分かるよう記載されているか確認します。
ただし、開示請求にあっては、請求の目的によって開示の可否を判断することはないので、記載は任意です。しかし、請求情報を特定するためや、条例の運用状況の統計作成のため、できるだけ次のように記載を求めるようにします。

 

 A課の○○業務の対象者リストに載っている私の個人情報に誤りがないか知りたいので、開示してもらいたい。
 ○○文書に記載されている△△という個人情報は、□□の誤りであるので訂正してもらいたい。
 ○○文書に記載されている△△という個人情報は、条例に反して収集されたものなので、削除してもらいたい。
 A課の○○業務の△△という個人情報を外部に提供しているのは、条例に反していると思われるので中止してもらいたい。
⑥ 本人確認欄には、確認を行った方法に該当する「□」に「レ印」を記入し、確認した担当者名を記載します。
(7) 訂正の請求に伴い、請求事項を立証する書類があるときは、提示を求めて、本人の了解を得て提出させ、又は写しを取り添付します。
(8) 上記(6)により確認のうえ、請求書を受理したときは、年月日等を記入のうえコピーを2枚とり、1枚を請求者に渡します。残りの1枚は、総務課に送付します。
(9) 請求者に対しては、請求書の受理に当たって、次のように処理します。
① 即日に開示等の決定が可能な場合は、その旨を伝え、迅速に処理します。
② 即日に開示等の決定が困難な場合は、次の3点を説明し、理解を得るようにします。
ア 請求に対する可否の決定までの期間について
決定には、当該請求に係る個人情報の検索や可否の検討に一定の日時がかかること。
開示の請求は、請求を受理した日から15日以内に、その他の請求は20日以内に可否の決定を行うこと。ただし、やむを得ない理由により、受理した日から起算して60日を限度に延長することもあるが、その場合は、その期間及び理由を書面で通知すること。
イ 決定通知について
請求に対する可否の決定は、書面により通知すること。
ウ 費用負担について
開示請求で、写しの交付が必要な場合は、写しの作成に要する費用は、請求者の負担となること。また、郵送を希望する場合は、郵送料を切手で納入してもらうこと。

 

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(10) 口頭、郵送及び電話による請求は、本人の確認が十分行えないこと、請求に係る個人情報が明確に特定できないことなどの理由から、認めないものとします。
(11) 請求をしようとする者が、遠隔地に居住している場合等やむを得ない状況により、請求書を実施機関に持参することが困難であると認められる場合に限り、郵送による請求を認めることとします。この場合においては、本人である確認を充分に行い、確実に本人に開示できることが前提となります。
ア 請求するに当たり、次の書類のいずれかを併せて送付してもらいます。
(ア) 運転免許証の写し
(イ) 旅券の写し
(ウ) 住民基本台帳カードの写し(顔写真付のもの)
(エ) 在留カードの写し
(オ) その他官公署の発行した免許証又は身分証明書で、写真に浮き出しプレスによる証印のあるもの又は写真を特殊加工してあるものの写し
(カ) その他実施機関が適当と認める書類
イ 法定代理人等が請求しようとする場合には、併せて規則等で規定する書類の送付が必要です。
ウ 本人の委任を受けた者からの請求を受け付ける場合には、本人の請求の意思について、必ず郵送照会により確認します。
エ 実施機関は、請求の内容と本人確認書類が確認でき次第、請求を受理し開示の決定を行います。
オ 開示する文書の写しを郵送するに当たっては、本人限定受取郵便によるものとし、当該郵送料と写しの作成に要する費用を送付してもらいます。

 

(請求に対する決定等)
実施機関は請求があったときは、当該請求を受理した日から起算して、開示の請求にあっては15日以内に、訂正、削除及び利
用中止の請求にあっては20日以内に、当該請求に対する可否を決定し、その旨を速やかに当該請求者に通知します。
請求の全部又は一部に応じないことと決定したときは、その理由(その理由がなくなる期日が明示できるときは、その理由及び期日)を併せて通知します。
実施機関は、やむを得ない理由により、期間内に決定することができないときは、当該請求書を受理した日から起算して60日を限度として、その期間を延長することができます。ただし実施機関は、当該延長の理由及び決定できる時期を速やかに当該請求者に通知しなければなりません。

 

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【説明】
1 (1) 請求があったときは、実施機関は、速やかに可否の決定を行います。
請求に対する決定は、当該請求を受理した日から起算して、開示請求にあっては15日以内に、その他の請求にあっては20日以内に行わなければなりません。
(2) 「15日以内」、「20日以内」とは、可否の決定をするまでの期間を示し、通知をする日を含みません。決定をしたときは、その旨を速やかに通知しなければなりません。

 

2 (1) 請求に応じないことと決定したときは、実施機関は、その理由を請求者に通知しなければなりません。
(2) 「請求に応じられない理由」は、不開示の場合は条例上のどの情報に該当するかを、その他の場合は事実の認定や判断内容を具体的に記載します。
(3) 不開示決定の場合で、その時点では条例第16条第2項各号のいずれかに該当するが、期間の経過により将来不開示とする理由がなくなることをあらかじめ明示できるときは、その理由と期日を併せて通知します。
この場合の「期日」は、おおむね1年以内の確定期日をいいます。
(4) 「期日」の通知は、開示できるようになる日を教示するものであり、請求者は、その期日が経過後、改めて開示請求を行う必要があります。
(5) 部分開示決定の場合も、不開示とする部分については、上記(2)、(3)及び(4)と同様に取り扱います。
また、訂正・削除・利用中止の拒否決定については、上記(3)及び(4)の考え方を準用します。

 

3 (1) やむを得ない理由により、期間内に決定することができないときは、請求書を受理した日から起算して60日を限度に、期間を延長することができます。この場合も、実施機関は、延長の理由及び決定できる時期を請求者に通知しなければなりません。
(2) 「やむを得ない理由」とは、次のとおりです。
① 訂正の請求で「事実」の正誤について、収集の相手等に確認する必要がある場合や価値判断に関わる事実の認定等で、慎重な検討を要し、相当の時間を必要とする場合
② 予測できない天災等緊急を要する業務のため、請求に対する決定手続をする時間がない場合
③ 年末・年始など公務を行わない期間が含まれている場合
④ その他やむを得ない合理的理由がある場合

 

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【運用】
1 請求に対する決定等
(1) 請求に対する可否の決定は、請求書を受理した各課で行います。可否の決定権者は、原則として情報を保有する課の長です。
(2) 各主管課の課長は、当該可否の決定が重要又は異例に属すると判断したときは、上司の指示を受けて決定します。
また、関係副参事が置かれている場合は、その意見も参考にして決定します。
(3) 可否の決定に当たっては、請求の対象となる個人情報について、開示の請求にあっては条例に情報に該当するか否か、訂正の請求にあっては事実の記載に誤りや不正確な内容があるか否か、削除・利用中止の請求にあっては該当条項の規定に反しているか否か等について、十分検討します。
特に、不開示等の決定の場合は、将来不服申立てや訴訟につながることも考えられるため慎重に検討し、不開示とする理由を明確にしておく必要があります。
なお、決定に当たっては、事前に総務課長に協議します。
(4) 可否の決定は、起案文書により行い、次の書類を添付します。
① 自己情報(開示・訂正・削除・利用中止)請求書
② 請求書に添付書類がある場合は当該添付書類
③ 自己情報開示可否決定通知書又は自己情報(訂正・削除・利用中止)可否決定通知書の案
④ その他可否決定の判断に必要な資料(開示、訂正、削除、利用中止に係る保有個人情報が含まれる行政文書)
(5) 可否の決定を延長する場合は、「自己情報開示等可否決定延長通知書」により、延長する期間及び理由を明記して、速やかに請求者に通知します。

 

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2 可否決定後の事務処理
(1) 可否決定後の事務処理手順及び内容
① 決定した内容を「自己情報開示可否決定通知書」又は「自己情報(訂正・削除・利用中止)可否決定通知書」により、請求者に速やかに通知します。この通知書を2枚コピーし、1枚は所管課において保管し、残りの1枚は総務課長に送付します。
② 開示決定を行った場合は、請求者に通知した日時及び場所において所管課の担当職員立会いのもとに、閲覧又は写しの交付ができるように準備します。
③ 訂正・削除・利用中止の決定を行った場合は、その処理内容について、確認の求めがあれば対応できるように、必要な証拠書類等を準備しておきます。
(2) 自己情報開示可否決定通知書の記載要領
① 「自己情報の件名」の欄
自己情報の件名欄には、「自己情報(開示・訂正・削除・利用中止)請求書」中の同欄に記入されている内容をそのまま転記するのではなく、当該個人情報が含まれる行政文書名を正しく記入します。請求者が請求した内容であるかわからなくなってしまうような場合には、括弧書きを付け加えるなどして対応します。
② 「開示に応じられない理由」の欄
条例の該当条項とその理由を具体的に請求者にわかりやすく記載します。
一部開示とする決定については、開示できない部分にどのような情報が記録されているか分かるように具体的に記載します。
不開示の部分が開示できる期日を明示できる場合には、その期日と理由を本欄に記載します。
③ 「開示の日時」の欄
日時の指定に当たっては、請求者と事前に電話等により請求者の希望を確認のうえ、各主管課の事務執行上の都合を考慮して決定します。
④ 「開示の場所」の欄
自己情報の開示は、原則として各主管課で行います。
(3) 自己情報(訂正・削除・利用中止)可否決定通知書の記載要領
① 「自己情報の件名」の欄
自己情報の件名欄には、「自己情報(開示・訂正・削除・利用中止)請求書」中の同欄に記入されている内容をそのまま転記するのではなく、当該個人情報が含まれる行政文書名及び利用方法等を正しく記入します。ただし、請求者が請求した内容であるかわからなくなってしまうような場合には、括弧書きを付け加えるなどして対応します。
② 「訂正・削除・利用中止の処理内容」
請求に応じて、訂正・削除・利用中止を行う場合は、当該処理の内容について、具体的に記載し、併せて通知します。
③ 「請求に応じられない理由」の欄
応じられない理由を具体的に記載します。

 

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