LGWANとは|読み方、意味、インターネットとの違いをわかりやすく解説
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LGWANとは
総合行政ネットワーク(以下「LGWAN」(Local Government Wide Area Network)といいます。)は、地方公共団体を相互に接続する行政専用のネットワークです。 正しい読み方は「エルジーワン」と読みます。
LGWANは、地方公共団体の庁内LANを相互に接続し、高度情報流通を可能とする通信ネットワークとして整備し、各地方公共団体と国の各府省及び住民等との間の情報交換手段の確保のための基盤とすることを目的としています。
LGWANは、各地方公共団体と国の各府省の職員間のコミュニケーションのツールとして、電子メール、電子文書交換、情報掲示板等の基本サービスを提供しているほか、その強固なセキュリティを確保したネットワーク回線を利用し、公的個人認証、電子申請システム等にも利用されています。
LGWANでは、「発信者と受信者が、いつ(○年○月○日○時○分○秒)、どんな文書を送受信したか」について、認証・確認できるアプリケーション基盤を整備しており、すべての地方公共団体は、アプリケーション基盤を利用し、地方公共団体相互間、地方公共団体と国の府省との間で情報交換を図ることができます。
文書事務に係る文書の送受信に関しては、次のとおりです。
LGWANの提供するサービス
LGWANでは、上記のアプリケーション基盤を利用して、次に挙げるようなサービスを提供しています。
(1) 電子メール
LGWANの回線を利用し、地方公共団体相互間、地方公共団体と国の府省との間で、電子メールの送受信ができる電子メールの中継サービスが提供されています。
インターネットを経由せず、LGWANを経由するので、機密性の高いデータをやりとりすることができます。
(2) LGWAN電子文書交換
アプリケーション基盤を利用し、電子的な公文書を地方公共団体相互間、また、地方公共団体と国の府省との間でやり取りするサービスです。
LGWAN文書交換は、送信側文書取扱主任が公文書を受信側文書取扱主任に送信し、受信側文書取扱主任は、受け取った文書を確認し、送信側文書取扱主任が受領確認を行います。
(3) LGPKI(地方公共団体組織認証基盤)(当該自治体であることの認証)
電子文書交換による文書の送受信、電子申請・届出等の手続においては、作成する電子文書等について、誰が作成した文書であり、文書自信が改ざんされていないことを確認するための手段が必要となります。
この手段を提供するための仕組みが地方公共団体における組織認証基盤(以下「LGPKI(Local Government Public Key Infrastructure)」といいます。)です。
(4) 電子掲示板
地方公共団体相互間における情報交換の場として、地方公共団体に閉じた情報掲示板を提供します。
(5) 自治体間をつなぐ安全な基盤としての利用
電子申請等の共同運営システムを利用するための通信を行います。
(6) 国と接続しているシステムの専用線への置換え
専用線を利用して国との情報のやり取りなどを行っているシステムについては、LGWAN回線への置換えを進めます。
LGWAN電子文書交換とは
紙の文書を送る場合には、その文書が確かにその組織から送られてきた文書で、改ざんされていない、ということを確認するために、公印を押したり、封緘をしたりします。
それと同じことを電子文書でもできるようにしたのが、LGWAN文書交換システムです。
LGWAN電子文書交換は、送信側文書取扱主任が公文書を受信側文書取扱主任に送信し、受信側文書取扱主任は、受け取った文書を確認し、送信側文書取扱主任が受領確認を行うものです。
紙の文書の場合に公印管理者が定まっていたのと同様、文書取扱主任を置きます。
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(1) 交換対象文書の受信
文書を受け取ったら、送られた文書に付いている電子署名(公印相当)を検証し、作成者に間違いがないこと、確かに改ざんされていないことを確認します。
文書を受け取るためには、文書交換証明書カードにより、確かにあて先の文書取扱主任であることを証明する必要があります。
紙の文書の場合では、私書箱に届いた文書を受け取る行為に相当します。
(2) 交換対象文書の送信
紙の文書の場合では、形式審査した後に鑑文書に公印を押して封入し、郵便ポストに投函する行為に相当します。
文書取扱主任は、まず、職責証明書カードを使って、交換対象文書に電子署名を付与します。
これは、紙文書において公印を押す行為と同じです。
そして、その後に文書交換証明書カードを使って、実際に文書の送信を行います。
これは、紙文書の場合では封筒に入れて封緘する行為と同じです。
(3) LGWANの公証基盤
LGWANの公証基盤の機能により、電子文書の送信、到達及び受領等の処理が発生するごとに、その行為の証として確認証を発行します。
お互いに到着確認などの「確認証」を取り交わすことにより、文書が今どんな状態であるかを確認することができます。
LGWANの運用
LGWAN文書交換システムを使用して文書を取得したり送信したりできるのは、文書取扱主任だけです。
紙文書において、公印を公印管理者が管理するのと同じです。
そのため、実際に文書を作成したり収受登録したりする組織と、LGWAN文書交換システムを使用して処理を行う文書取扱主任との間に、情報のやりとりが必要です。
その処理を、文書管理システムで収受登録や施行の処理時に行います。
1 文書取扱主任
電子文書交換の送受信を行うのは、あらかじめ指名した文書取扱主任です。
各課に文書取扱主任を置き、文書管理責任者が指名する職員をもって充てます。
文書取扱主任は、統括文書管理責任者が指名した係に置くものとされています。
2 LGWAN文書の取得
(1) 文書の配付
文書が到着したときに、電子署名(公印相当)を検証して文書を取り出すことができるのは、文書交換証明書カードを持つ文書取扱主任だけです。
文書取扱主任は、受信した文書を文書管理システムに登録し、各係に配付します。
文書に付帯する情報とともに、実際に収受登録を行うべき組織に転送処理を文書管理システムにより行います。
(2) 収受登録
(1)により配付を受けた各係は、文書管理システムに必要な事項を入力して、収受登録を行います。
3 LGWAN文書交換による施行
LGWAN文書の送付の処理を行うのは、職責証明書カードと文書交換証明書カードを持つ文書取扱主任だけです。
文書取扱主任以外の職員は、送付したい電子文書に、送り先等の情報を添えて、権限を持つ文書取扱主任に渡すという処理が必要になります。
紙の文書でいえば、公印管理者に対して、「この文書に公印をおしてこの住所に送付してください。」というメモと共に発送文書を渡す行為であるといえます。
この権限を持つ文書取扱主任に渡すまでの処理を、文書管理システムの施行機能で行います。
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