外来語、カタカナ語の言い換え一覧|公用文・ビジネス文での使い方
外来語、カタカナの使い方
外来語の表記については、「外来語の表記」(令和3年内閣告示第2号)に従います。
外来語の表記については、令和3年に、昭和29年に制定された「外来語の表記」の見直しが行われ、従来制限的だった表記がかなり自由なものになりました。
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具体的には、外来語や外国語の地名・人名を書き表す場合に、「シェ、ジェ」「ティ、ディ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「デュ」を一般的に用いることができるようになりました(第1表)。
例
シェーカー シェード ジェットエンジン シェークスピア
ディズニー ボランティア プロデューサー
また上記の仮名を用いて書ける外来語でも、慣用があるものは、従来の表記によるとされています。
例
ゼラチン(シェ) エチケット(ティ) プラスチック(ティ)
セロハン(ファ)
他にも原音になるべく近く書き表そうとする場合に、「ウィ、ウェ、ウォ」「クァ、クィ、クェ、クォ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」並びに「トゥ、ドゥ」「テュ」「フュ」及び「ヴュ」を用いることができるようになりました(第2表)。
この表記は任意であり、次のいずれを用いても構いません(括弧書きは、第1表の仮名による表記)。
ただし、第2表の仮名を用いたときは、同一文書中の外来語には同表の仮名を用いるようにします。
例
ウイスキー(ウィスキー) ウイルス(ウィルス)
ヴァイオリン(バイオリン)
国語として定着している外来語は、公用文では、日本語として発音しやすいように表記するのが原則です。
そのため「セロファン」「プラスティック」のような表記はしません
ただし、外務省では「ヴ」を用いない傾向があるため、特段必要がない限り「ヴ」は用いない方が理想です。
また、最近の表記法では、カタカナ語の最後にある「ア列」の長音符号を省略するのが原則となっています。
ただし、従来の慣例により「メーカー」「アナウンサー」など長音符号を省略しにくいものについては、従来の例によります。
例
エレベータ コンピュータ プリンタ スキャナ
データ エンジニア コア タイヤ ドア
一方、語末の「イ列」の長音は「カテゴリー」「コミュニティー」のように長音記号を付けます。
間違いやすいカタカナ語一覧
コミュニケーション(×コミニュケーション)
シミュレーション(×シュミレーション)
スムーズ(×スムース)
バドミントン(×バトミントン)
エキシビション(×エキシビジョン)
グラウンド(×グランド)
アボカド(×アボガド)
ギプス(×ギブス)
ジャンパー(×ジャンバー)
ティーバッグ(×ティーパック)
バッジ(×バッチ)
ホットドッグ(×ホットドック)
マニキュア(×マニュキュア)
「ホチキス」は、製造社名ですが、他に適切な日本語訳がないため許容されます。
また、「和製英語は日本語」という考え方から、以下のようなある程度社会的に用いられている和製英語は公用文に用いることができます。
和製英語の例
アフターサービス アルバイト
オートバイ ガードマン
ガソリンスタンド カンニング
キーホルダー キャンピングカー
クレーム コインランドリー
コインロッカー ゴールイン
コンセント サラリーマン
ジェットコースター
シャープペンシル
スキンシップ スケートリンク
スタンドプレー タオルケット
チャック テーブルスピーチ
ドッキング ナイーブ
ノートパソコン バイキング
バックミラー ビジネスホテル
ファクス フロント
ベースアップ ベッドタウン
ペットボトル マイカー
マイホーム マジック
モーニングコール ランドセル
リフォーム ワンパターン
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外来語と日本語の使い分け方
一般になじみの低い外来語が、官公庁が発行する文書やマスコミで多用されているという問題を受け、平成15年、国立国語研究所「外来語」委員会が設置されました。
「外来語」委員会では、「『外来語』言い換え提案」を4回にわたって発行しており、以下に示す言い換え案は、それに沿ったものです。
この言い換え案は、外来語を使用せずに言い換え案を使用しなければならないとしているものではありません。
あくまで、言い換えが必要なときにどのような日本語が最も適切であるかという目安を示しているだけです。
実際に、言い換え提案の対象となった外来語の中には、公用文の観点から、既に十分日本語化されており言い換えの必要がほとんどない語句から、英語そのものの語句まであります。
言い換えるべきかどうかは、対象者等によっても異なるため状況に応じて判断しますが、以下の観点から検討してください。
①言い換えない方が分かりやすいもの
外来語の中には、「ボランティア」「サービス」などのように、すでに十分浸透しており、日本語に言い換えるとかえって分かりづらくなるものもあります。
また、共通の専門知識を持つ人を対象にするのであれば、言い換えない方がより正確なニュアンスを伝えることができます。
②言い換え語や言葉の意味との併記が望ましいもの
今までの日本語にない、新しい概念を示すためにあえて外来語を使用するときには、「( )」等で言い換え語などを添えるほうが、相手が理解しやすくなります。
③対象者で判断する
外来語の理解度は、世代などによっても異なります。
一般には広く浸透していても、高齢者には理解されていないこともあります。
言い換えるか、あるいは注釈をつけるかなどは、その文書が対象としているのは誰なのかによって判断する必要があります。
外来語、カタカナ語の言い換え一覧
以下に挙げるのは言い換えの一例です。
他の外来語も言い換え例は示されていますので、必要に応じて国立国語研究所のホームページ等を参照してください。
また、外来語の扱いは時代により頻繁に変化していますので、最新の情報を参考にするよう注意してください。
言い換え一覧(ア行)
アーカイブ(保存記録・記録保存館)
アイデンティティー(独自性・自己認識)
アイドリングストップ(停車中エンジン停止)
アウトソーシング(外部委託)
アカウンタビリティ(説明責任)
アクションプログラム(実行計画)
アクセシビリティー(利用しやすさ)
アクセス(接続・交通手段・参入)
アジェンダ(検討課題)
アセスメント(影響評価)
アナリスト(分析家)
アミューズメント(娯楽)
アメニティー(快適環境・快適さ)
イニシアティブ(主導・発議)
イノベーション(技術革新)
インキュベーション(企業支援)
インサイダー(内部関係者)
インセンティブ(意欲刺激)
インターンシップ(就業支援)
インタラクティブ(双方向的)
インパクト(衝撃)
インフォームドコンセント(納得診療・説明と同意)
インフラ(社会基礎)
エンパワーメント(能力開化・権限付与)
エンフォースメント(法執行)
オーガナイザー(まとめ役)
オーナーシップ(所有権・主体性)
オピニオンリーダー(世論形成者)
オブザーバー(陪席者・監視員)
オフサイトセンター(原子力防災センター)
オペレーション(公開市場操作・作戦行動)
オンデマンド(注文対応)
言い換え一覧(カ行)
ガイドライン(指針)
カウンターパート(対応相手)
カスタムメード(特注生産)
ガバナンス(統治)
キャッチアップ(追い上げ)
キャピタルゲイン(資産益)
クライアント(顧客)
グランドデザイン(全体構想)
グローバリゼーション(地球規模化)
グローバル(地球規模)
ケーススタディー(事例研究)
ケア(手当て・介護)
コア(中核)
コージェネレーション(熱伝併給)
コミット(かかわる・確約する)
コミットメント(関与・確約)
コミュニケ(共同声明)
コミュニティー(地域社会共同体)
コラボレーション(共同制作)
コンセプト(基本概念)
コンセンサス(合意)
コンソーシアム(共同事業体)
コンテンツ(情報内容)
コンファレンス(会議)
コンプライアンス(法令遵守)
コンポスト(たい肥・生ゴミたい肥化装置)
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言い換え一覧(サ行)
サーベイランス(調査監視)
サプライサイド(供給側)
サプリメント(栄養補助食品)
サマリー(要約)
サムターン(内鍵つまみ)
シーズ(種)
シェア(占有率・分かち合う・分け合う)
シフト(移行)
シミュレーション(模擬実験)
シンクタンク(政策研究機関)
スキーム(計画)
スキル(技能)
スクーリング(登校授業)
スクリーニング(ふるい分け)
スケールメリット(規模効果)
スタンス(立場)
ステレオタイプ(紋切り型)
ストックヤード(一時保管)
セーフガード(緊急輸入制限)
セーフティーネット(安全網)
セカンドオピニオン(第二診断)
セキュリティー(安全)
セクター(部門)
セットバック(壁面後退)
ゼロエミッション(排出ゼロ)
センサス(全数調査・大規模調査)
ソフトランディング(軟着陸)
ソリューション(問題解決)
言い換え一覧(タ行)
タイムラグ(時間差)
タスク(作業課題)
タスクフォース(特別作業班)
ダンピング(不当廉売)
ツール(道具)
デイサービス(日帰り介護)
デジタルデバイト(情報格差)
デフォルト(債務不履行・初期設定)
デリバリー(配達)
デフォルト(初期設定)
デポジット(預かり金)
ドクトリン(原則)
ドナー(臓器提供者・資金提供国)
トラウマ(心の傷)
トレーサビリティー(履歴管理)
トレンド(傾向)
言い換え一覧(ナ行)
ナノテクノロジー(超微細技術)
ネグレクト(育児放棄・無視)
ノーマライゼーション(等生化・等しく生きる社会の実現)
ノンステップバス(無段差バス)
言い換え一覧(ハ行)
バーチャル(仮想)
パートナーシップ(協力関係)
ハーモナイゼーション(協調)
バイオテクノロジー(生命工学)
バイオマス(生物由来資源)
ハイブリッド(複合型)
ハザードマップ(災害予測地図)
パブリックインボルブメント(住民参画)
パブリックコメント(意見公募)
バックアップ(支援・控え)
バックオフィス(事務管理部門)
バリアフリー(障壁なし)
ヒートアイランド(都市温暖化)
ビオトープ(生物生息空間)
ビジョン(展望)
フィルタリング(選択)
フェローシップ(研究奨学金)
フォローアップ(追跡調査)
プライオリティ(優先順位)
フリーランス(自由契約)
ブレークスルー(突破)
フレームワーク(枠組み)
プレゼンス(存在感)
プレゼンテーション(発表)
フレックスタイム(自由勤務時間制)
プロトタイプ(原型)
フロンティア(新分野)
ベンチャー(新興企業)
ボーダーレス(無境界・脱境界)
ポートフォリオ(資産構成)
ポジティブ(積極的)
ポテンシャル(潜在能力)
ボトルネック(支障)
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言い換え一覧(マ行)
マーケティング(市場戦略)
マクロ(巨視的)
マスタープラン(基本計画)
マネジメント(経営管理)
マルチメディア(複合媒体)
マンパワー(人的資源)
ミスマッチ(不釣り合い)
ミッション(使節団・使命)
メディカルチェック(医学的検査)
メンタルヘルス(心の健康)
モータリーゼーション(車社会化)
モビリティ(移動性)
モチベーション(動機付け)
モニタリング(継続監視)
モラトリアム(猶予)
モラルハザード(倫理崩壊)
言い換え一覧(ヤ行~)
ユニバーサルサービス(全国均質サービス)
ユニバーサルデザイン(万人向け設定)
ライフサイクル(生涯過程)
ライフライン(生活線)
ライブラリー(図書館)
リードタイム(事前所要時間)
リーフレット(ちらし)
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