「御」「お」「ご」の使い分け方|「お礼、御礼」など公用文の接頭辞の書き方

「御」「お」「ご」の使い分け方|「お礼、御礼」など公用文の接頭辞の書き方

「御」「お」「ご」の使い分け方|「お礼、御礼」など公用文の接頭辞の書き方

接頭語とは、それだけ使われることはなく、他の語の前について後の語を意味を強めたり、調子を整えたり、意味を添えたりする造語要素です。

 

公用文では、丁寧語を表すために「御」という接頭語がよく用いられますが、そこで迷うのが「御」「お」「ご」の使い分け方です。
「ご」は、マスコミでは一貫してひらがなを用いているので、公用文でも間違いやすいので注意が必要です。

 

スポンサードリンク

 

「御」「お」「ご」の使い分け方

使い分けのルールは単純で、「御」は後に漢字の語が来るときに用い、「ご」は後に平仮名の語がくるときに用います。
また、「御」には「おん」の読みはありますが「お」の読みはないので、「お」と読ませるときにはひらがなを用います。
そのため「御礼」は必ず「おんれい」と読み、「おれい」とは読みません。

 

後ろに漢字が来て「御」の例

御案内 御挨拶 御理解 御承知 御礼(おんれい) 御中

 

後ろに平仮名が来て「ご」の例

ごちそう  ごべんたつ  ごもっとも

 

後ろに漢字が来ても「お」なので平仮名の例

お忙しい   お願い  お礼

 

平仮名書きの言葉の前に「ご」が付くのは、上記のような本来漢字であるが常用漢字表に記載がないため平仮名表記しているものに限られます。
平成22年の常用漢字表の改正で「ごあいさつ」が「御挨拶」と書けるようになったため、平仮名の「ご」を用いる熟語はほとんど存在しません。

 

後ろに漢字なら「御」、平仮名なら「ご」と単純にいかないのが、「お忙しい」「お願い」のような語句です。
この場合、後ろに漢字が来ていますが、「御」は「お」の読み方がないので、平仮名で書くしかありません。
一方「御」は「おん」という訓読みが認められているので、「御礼」はこのように書き、必ず「おんれい」と読みます。
「おれい」と読ませたい場合は「お礼」を使います。

 

注意が必要な語句として「御存じである」「御覧になる」があります。
「存じ」は「存知」と書かれることもありますが、「知」には「じ」の読みがないので熟語であっても「御存じ」と一部ひらがなで表記します。
「御覧」は、一字の漢字であっても同様のルールで「御」を使います。
※話し言葉の場合は、「お電話」のように漢語の前に美化語として「お」を付けることがあります。

 

以上のような原則にかかわらず、実務上、市役所等では「ご挨拶」というような表記をしているケースも多いです。
その理由としては、「御挨拶」では硬い印象を人に与えるため、柔らかい表現にするために平仮名表記をしていることが挙げられます。
どちらを採用するにしても、庁内で乱れが生じないように文書主管課で統一を図る必要があります。

 

「お」「御」の基本的な使い方

「お」「御」を付けるのは、次の場合です。

相手の物事を表す場合で、「あなたの」という意味を含ませるとき。

例1 (あなたの)お体にお気をつけてください。
例2 (あなたの)御依頼の品物をお届けします。

 

当方の物事でも、相手に対する物事であるとき。

お願いします。
お礼申し上げます。
御報告します。
御挨拶申し上げます。

 

スポンサードリンク

トップへ戻る