庁内施行とは|施行の読み方、公告との意味の違いを分かりやすく解説
文書の施行とは
文書の施行とは、内部的に決定された自治体の意思を文書にして、特定又は不特定の相手に対して、自治体の機関意思又は事実を伝えることをいいます。
施行には、「送付(交付)を伴う施行」と「送付(交付)を伴わない施行」があります。
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施行の読み方
施行は原則として「しこう」と読みますが、「せこう」と読んでも差し支えないとされています。
庁内施行とは
「庁内施行」とは、行政団体、地方公共団体内で行う施行をいいます。
文書管理システム等の施行機能を使って関係部署に庁内施行をするのが一般的です。
一方、住民などに外部に施行をすることを、「外部施行」といいます。
送付を伴わない施行(公告)とは
「施行」には、送付のようにある特定の相手方に対する文書の交付を行うもののほかに、交付を行わずに相手方へ伝達を行うものがあります。
送付を伴わない施行の代表が「公告」です。
公告とは、最も広い意味では、公の機関が、ある事項を広く一般の人に知らせることをいいます。
この意味での公告には、公布(条例・規則等を公表するための行為)、公示及び告示(行政処分又は重要事項を公表するための行為)、狭義の公告(公布、公示及び告示に該当しないもので一定事項を周知するための行為)があります。
公告は、発送とともに、文書の施行の一つの方式であり、自治体の意思や、自治体に関する事実を不特定多数の相手方に知らせる場合に用いられる方式です。
ただし、「公示送達」のように、特定の住所不明者に対して知らせるためのものもあります(地方税法第20条第2項、国民健康保険法第78条、民法第98条等)。
なお、地方自治法は、条例、規則その他の規程で公表を要するものについて必要な事項は条例で定めるべきことを規定しています。
告示の手続
告示は、住民の権利義務にかかわるものがあり、法規としての性質を持ちます。
単に「掲示板に貼る」という行為ではありませんので注意が必要です。
一般的には、告示の手続は文書主管係が行います。
各主管課は、告示の元となる事業の実施について意思決定し、意思決定後に文書主管係に告示の依頼を「庁内施行」で送付します。
文書主管係は、主管課からの依頼を受け、告示を行うことについての意思決定を行い、門前掲示場等への掲示を行います。
主管課の手続
意思決定
主管課は、事業の実施と合わせて、文書主管係に告示の依頼を行うことについて起案を行います。
一般的には、告示を行うことについての起案・決定は文書主管係が行います。
ここでの決定権者は、事業の実施等についての決定権を持つ職員です。
文書係に告示依頼を送付することは施行(通常の「送付を伴う施行」です。)の手続になりますので、起案の際には「施行要」とし、あて先を総務部長、送付先を文書主管係とします。
意思決定の手続については、通常の起案の手続と同じです。
文書審査
主管課の意思決定においては、文書主管係の文書審査を求める必要はありません。
形式上の不備がある場合には、文書主管係が後から起案を行うときに修正することもあります。
特に文書主管係との調整が必要な場合においては、起案の前に事前調整を行います。
告示依頼
意思決定が終わったら、文書主管係に対して正式に告示依頼を送付します。
文書主管係に送付する必要がある添付文書は、掲示を行う文書すべてです。
掲示を行う文書以外に、依頼文書として鑑文などを作成する必要はありません。
送付の手続は、通常の手続と同じです。
掲示文書
掲示文書が電子化されている場合には、文書主管係に送付するときも電子的に送付します。
掲示文書が紙の場合には、文書主管係にも紙で送付します。
どちらであっても、文書主管係に対して依頼を施行することには変わりませんので、起案の際には必ず「施行要」とします。
公印は文書主管係で決定後に押しますので、文書主管係に依頼するときに公印が押されている必要はありません。
文書主管係の手続
収受登録
文書主管係は、主管課からの告示依頼を収受登録します。
告示の意思決定
主管課からの告示依頼を収受したら、告示文の文書審査を行い、必要に応じて告示文を修正します。
そのうえで、告示を行うことについての起案を行い、決定を求めます。
決定権者は、規程等で定める、告示の決定権者です。
主管課に対しては、決定後通知として、決定後の告示文書を閲覧させます。
文書主管係は、告示文書の形式等については、告示を行う権限に基づき修正することができます。
送付を伴わない施行
告示は「送付を伴わない施行」ですので、意思決定を行う際に、「施行要」としたうえで送付を伴わない施行の登録を行い、告示番号を取得します。
門前掲示場への掲示
告示についての意思決定が終わったら、告示文書を出力し、公印を押したうえで、門前掲示板に掲示を行います。
インターネットによる公表
情報公開条例等では、情報公開制度を総合的に推進し、その目的である自治体と住民との情報共有による協働関係を築くため、行政文書開示請求によらなくても自治体の情報を積極的に公表することを理念としています。
そのためには、前述のとおり公告式条例や告示式により、様々な手段でも広く情報を公表していく必要があります。
例えば、広報誌などの資料による提供や、報道機関への積極的な情報提供、そしてインターネットの利用をはじめとする情報通信技術の進展に対応した多様な媒体による情報提供なども重要な課題です。
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