「及び」「又は」「並びに」「若しくは」等を使いこなす|公文書の作り方

「及び」「又は」「並びに」「若しくは」等を使いこなす|公文書の書き方

名詞の正しい列挙方法を知っておくと、周りと大きな差を付けることが出来ます。
是非覚えておきましょう。

 

名詞の列挙の種類

公用文では、名詞をいくつか列挙する場合がよくあります。
列挙には一定のルールがあり、これを間違えると、含まれるべきものが含まれなくなってしまったりする可能性があります。
法令等で一定の事項を規制するような場合、ある事項が含まれるか含まれないかというのは大きな問題になることですので、注意が必要です。
名詞の列挙法は、法制執務上の技術ではありますが、公用文の作成に当たっても法令に準じて記述します。

 

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(1) 限定列挙と非限定列挙
列挙には、特定の数の名詞を列挙する「限定列挙」と「等」や「その他」を用いて類似の名詞を類推させる非限定列挙があります。
(2) 限定列挙
ア 「及び」と「又は」
限定列挙には、「及び」を用いて集合の全体を示すものと、「又は」を用いて集合の中の一つを示すものがあります。
「及び」「又は」を使用する場合には、各名詞を「、」で結び、最後の名詞の前にのみ「及び」「又は」を置きます。

 

・試験には、鉛筆、万年筆及びボールペンを持参してください。
(鉛筆、万年筆、ボールペンをすべて持参しなければならない。)
・試験には、鉛筆、万年筆又はボールペンを持参してください。
(鉛筆、万年筆、ボールペンのうちいずれかを持参すればよい。)

 

「及び」「又は」の前には「、」は打ちませんが、動詞を列挙する場合には「、」を打ちます。
また、「〜とき」を列挙する場合も「、」を打ちます。

 

・この工事の施行を第三者に委託し、請け負わせ、又は継承させてはならない。(動詞の列挙)
・会議は、委員の3分1の以上の要求があったとき、又は市長が必要と認めたときに、召集される。

 

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イ 「並びに」と「又は」
「並びに」は、「及び」を使ったうえでさらに大きなくくりをするときに使用するものです。
したがって、「及び」がどこにもないのに「並びに」を使用するのは間違いです。
同様に、「又は」と「若しくは」を用いるときは、「又は」を小括弧に使い、「若しくは」を大括弧にします。

 

ウ 階層構造をもつ場合
限定列挙を行う場合において、列挙される名詞が、大括弧と小括弧のように階層的になることがあります。
この場合、小括弧が「及び」のときは大括弧は「並びに」を、小括弧が「若しくは」のときは大括弧は「又は」を使用します。

 

・国及び地方公共団体の職員並びに公共企業体の役員及び職員
【 (国)及び(地方公共団体】 並びに【公共企業体の(役員)及び(職員)】

 

・消印された証紙又は著しく汚染若しくはき損した証紙
【消印された証紙】 又は 【著しく(汚染)若しくは(き損)した証紙】

 

階層が3階層以上になる場合には次のようにします。
@「及び」の場合は、「及び」を一番小さい小括弧に用いてその他を「並びに」にします
A「又は」の場合は、「若しくは」を一番小さい小括弧に用いてその他を「又は」にします。
ただし、階層関係が多くなると分かりづらくなりますので、できるだけ3階層以上にはならないようにします。

 

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(3) 非限定列挙
ア 非限定列挙の基本ルール
非限定列挙では、「等」を用いるのが一般的です。名詞をすべて「、」で結び、最後に「等」をつけます。
「及び」又は「又は」と「等」は、列挙が2階層以上になる場合を除いて絶対に併用してはいけません。

 

・試験には、鉛筆、万年筆、ボールペン等の筆記用具を持参してください。
(×試験には、鉛筆、万年筆及びボールペン等の筆記用具を持参してください。)
・次の遠足には、鉛筆又はシャープペンシル、メモ帳、虫眼鏡等必要なものを持参してください。
(「又は」は「鉛筆」と「シャープペンシル」を接続しているだけなので、「等」と併用してもかまいません。)

 

不必要に「等」を使用すると、あいまいな印象になり、文章が読みにくくなるとともに、内容が不明確になりますので、本当に「等」が必要か検討し、できるだけ使用しないようにします。
イ 「その他」と「その他の」
非限定列挙には、「その他」又は「その他の」を用いるものがあります。
これは、具体的な名詞を列挙し、「その他」又は「その他の」の後の抽象的な名詞の内容を類推させるものです。
ただし、「その他」と「その他の」の用法は異なるので、注意が必要です。
「その他」は次の例のように、「その他」の後の名詞をその前に列挙した名詞と並列的に列挙する場合に用います。

 

俸給表は、生計費、民間における賃金その他人事院の決定する妥当な事情を考慮して定められ〜
(「人事院の決定する妥当な事情」の中に「生計費」や「民間における賃金」は含まれていません。)

 

一方「その他の」は、次のように「その他の」の後の名詞がその前に列挙した名詞を例示として受ける場合に用います。

 

地方公共団体は、この法律に基づいて定められた給与、勤務時間その他の勤務条件が国及び他の地方公共団体との間に権衝を失しないよう〜
(「勤務条件」の中に「給与」や「勤務時間」が含まれています。)

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