「いる、居る」「ない、無い」の使い分け方|公用文の漢字と平仮名の違い
「いる」については、「居る」を用いて「存在する」という意味を強調する表記の仕方は、現行の常用漢字表も認めています。
とはいえ、公用文では、これら両者を使い分ける実益が無いという慣例から、「いる」と平仮名で統一して書いている市役所等も多いのが実情です。
いる・・・「仕事をしている」(助動詞)、「ここに関係者がいる」(一般的な使い方)
居る・・・「部屋に居る」「故郷に居る」(存在を強調したいとき)
「ない、無い」の使い分け方
「ない」については、助動詞の場合は「行かない」というように平仮名で書きます。
また、「お金がない」というように、形容詞の「ない」を述語として用いるときも平仮名で用いるのが原則です。
ただし述語でなく名詞を修飾するときは「無い物ねだり」、動詞のときは「無くする」と漢字を用います。
ない・・・「行かない」(助動詞)、「欠点がない」(形容詞述語)
無い・・・「無い物ねだり」(名詞修飾)、「無くする」(動詞)
言い換えると、「不存在」を表すときは「無い」、「抽象的なものの有無」を表すときは「ない」をそれぞれ用います。
例文
・この辺には、人家が無い。
・メリットがない。
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