簿冊、文書保存箱の活用方法|公務員の文書管理分類、年度末の引継ぎ方法

簿冊、文書保存箱の活用方法|公務員の文書管理分類、年度末の引継ぎ方法

簿冊、文書保存箱の活用方法|公務員の文書管理分類、年度末の引継ぎ方法

新年度の準備

1 行政文書分類基準表の見直し

行政文書分類基準表(以下「分類基準表」といいます。)とは、文書が発生したときにどういう分類・基準(保存期間など)で管理するかを、組織としてあらかじめ定めておくものです。
分類基準表は、年度切替時に限らず、必要に応じて見直しを行いますが、原則として年度切替時には見直しを行います。

 

(1) 共通文書分類基準表の確認
庶務的な文書など、全庁の多くの係で発生・管理する「全庁共通文書」については、各係で基準を作成するのは非効率的なうえ、組織によって分類や管理基準が違うのは望ましくないため、共通の分類基準表を作成しています。
共通分類基準表は、統括文書管理責任者が決定します。
共通分類基準表についても、年度末(各係が個別分類基準表の見直しを行う時期の前)に見直しを行い、文書係で公表します。
各係では、個別の分類基準表を見直したり、新年度のフォルダを作成する前に、共通分類基準表を確認します。

 

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(2) 個別分類基準表の見直し
新しい年度のフォルダを準備する前に、前年度のフォルダ管理の状況を見て、分類基準表の見直しを行います。
また、分類基準表は、各文書管理責任者の責任により決定し、統括文書管理責任者に提出します。

 

ア 内容の見直し
内容を変更する必要がある場合には、変更を行います。
ただし、分類基準表は普遍的な基準ですので、理由もなく変更をするのは、管理として不適切です。
変更を行うのは、下記のような理由がある場合のみとします。
① 事業の変更等に伴い、新しい分類やフォルダが必要になる場合
② 制度の変更等により、保存期間を見直す必要がある場合
③ 文書分類や標準行政文書ファイルの名称や分け方が不適切だった場合

 

イ 文書管理責任者による決定
分類基準表は、各課の文書管理責任者が年度始めに決定をします。前年度と変更がない場合であっても、年度始めには必ず決定の手続きを踏むものとします。

 

ウ 統括文書管理責任者への提出
各課の文書管理責任者が分類基準表の決定をしたら、統括文書管理責任者に提出し、承認を求めなければなりません。
年度切替時においては、変更がなかったとしても必ず提出するものとします。
提出する際には、文書管理責任者の決定後に庁内施行にて文書係に送付を行います。
また、提出された分類基準表に不備がある場合には、統括文書管理責任者は修正を求めます。

 

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2 秘密文書の指定

秘密の取扱いを要する文書については、秘密の指定を行わなければなりません。
ただし、文書1件ごとに秘密文書の指定を行うことが困難なものについては、包括秘密指定一覧表により、一括して指定を行うことができるとしています。
その指定も、分類基準表の作成に合わせて行います。

 

(1) 包括秘密指定一覧表の作成
様式に定める包括秘密指定一覧表に、必要な事項を入力します。
(2) 文書管理責任者による決定
秘密文書の指定は、文書管理責任者の権限です。(1)により一覧表を作成したら、分類基準表と合わせて、文書管理責任者が決定を行います。
(3) 統括文書管理責任者への提出
(2)により決定をしたら、分類基準表と合わせて統括文書管理責任者に提出を行います。

 

3 新年度フォルダ情報の作成

文書は、行政文書ファイル単位に管理を行います。
そして、行政文書ファイル単位で、文書管理システムにフォルダを登録して、管理を行います。
分類基準表を決定したら、分類基準表に従って新年度のフォルダを作成します。
フォルダは本来、文書が発生し、そのまとまりが文書ファイルとなるものです。
しかし、現実の運用として、年度途中に文書が発生してから、その都度文書担当者がフォルダを作成するのは非効率です。
そのため、作業的には、年度当初に、その年度に発生すると思われるフォルダをまとめて準備してしまい、年度が終わって文書が確定するときに、不要なフォルダを削除するなどの整理作業を行います。
ここで作成するフォルダは、新年度に使用すると思われるものを準備しているだけであり、確定しているものではありません。
フォルダが確定するのは、年度末に文書が確定するときです。
したがって、それまでの間は、フォルダの追加、削除、変更は自由に行うことができます。確定後に廃棄や保存期間の変更を行うときのように、文書管理責任者の意思決定等を行う必要はありません。

 

(1) 前年度フォルダの複写
新年度のフォルダは、前年度のフォルダと同じになる部分が多くあります。
そのため、新年度のフォルダ作成に当たっては、作業効率の向上のため、まず、前年度のフォルダを複写し、それを加工する形式で行います。
前年度フォルダの複写は、文書係で一括して処理を行います。
組織改正や、事務事業の変更等に伴い、分類・フォルダ体系が大幅に変わるなどの理由により、前年度フォルダの複写を行わないほうがいい場合には、事前に文書係に相談してください。

 

(2) 複写フォルダの変更
複写された状態の分類・フォルダを確認し、必要に応じて、追加、削除、変更を行います。

 

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4 新年度ファイル用品の準備

紙文書の保管を行う場合には、文書管理システムにフォルダの「情報」を準備するだけでなく、実物の収納用品を準備する必要があります。

 

(1) ファイル用品の請求
個別フォルダやボックスファイルなどの文書管理用品は、文書係が一括して購入し、配布します。
新年度の準備用については、多くのファイル用品の配布が発生します。
必要数を各課で取りまとめのうえ、文書係まで取りにきます。
ファイル用品は、年度の途中でも必要があれば随時配布しています。
また、フォルダはできるだけ再利用するようにします。

 

(2) ラベルの印刷と貼付
前記により用意したフォルダの情報のうち、紙文書の発生があるフォルダを選択して、フォルダラベルの印刷を行います。

 

ア 個別フォルダ
出力されるラベルは、個別フォルダのミミの部分の大きさに合わせてミミに貼り付けます。
イ 簿冊、ボックスファイル等
簿冊やボックスファイル等、個別フォルダ以外のファイル用品の場合は、アと同じラベルを、分かりやすい部分に貼り付けます。

 

(3) 「個人」シール、「秘密」シールの貼付
個人情報が含まれるフォルダは分かるようにしておく(例:個人シールや赤丸シールを貼る、個人情報以外の秘密情報が含まれる場合には、青丸シールを貼る等)

 

(4) その他ファイル用品の準備
区分ガイドや、見出しなど、その他のファイル用で変更があって必要な場合には、準備を行います。

 

5 新年度ファイル用品の配置

前記4により、新年度のファイル用品を準備したら、キャビネット等の什器に配置しなければなりませんが、旧年度の文書の整理を行わないと、新年度のファイル用品を置くことができません。旧年度文書の整理が終わったら、新しい年度のファイル用品を配置します。

 

旧年度文書の整理

通常、文書は、現年度及び前年度のものを最も多く利用し、それ以上年数の経過した文書の閲覧頻度は急激に低下します。
そのため、事務室内には原則として現年度と前年度の2年間分の文書を置き、それ以前の文書については文書庫に移します。
また、年度末には、保存期間が満了する文書の整理作業も行います。

 

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1 前年度以前文書の整理

事務室にある前年度以前の文書は、移し替え、置き換えなどの整理作業を行う必要があります。
それぞれの用語の意味は次に説明するとおりです。
ここで説明するのは、主に紙文書についての整理方法であり、電子文書については当然、移し替え、置き換え、引継ぎといった、場所の移動に伴う作業は発生しません。
ただし、保存期間の延長や廃棄などの作業は紙文書だけでなく、電子文書についても発生します。

 

(1) 移し替え
それまでキャビネットの下段に入っていた文書を、引継ぎ以外の場合で文書庫等のほかの場所に移すことを「移し替え」といいます。
移し替えを行う場合も、後から場所の移動を文書管理システムに登録しなければなりません。

 

(2) 置き換え
事務室内のキャビネットは、原則として上段に現年度文書、下段に前年度文書を収納します。
年度切替時において、それまで上段にあった文書を下段に入れ替えることを、「置き換え」といいます。

 

(3) 引継ぎ
文書を、文書係が管理する文書庫に移すことを「引継ぎ」といいます。
文書係が管理する文書庫に移す場合には、必ず「引継ぎ」という処理を行う必要があります。
引継ぎを行う場合には、文書を、文書係が指定する文書保存箱に入れて、別に定める手続により、文書係に申請をします。
実物を整理するときは、後から引継ぎの手続ができるよう、発生年度及び保存期間別に文書保存箱に詰めます。
1箱に満たない場合は、文書係の方で、他の組織の文書と一緒にまとめますので、紐や輪ゴム等で束ねておきます。

 

(4) 廃棄
保存期間が満了する文書については、保存期間の延長を行うものを除いては、廃棄を行います。保存期間は、最低限保存の必要な期間を定めたものですので、保存期間が到来
した文書を廃棄しなかったからといって、規則に反するわけではありません。
しかし、保存の必要がなくなった行政文書をいつまでも管理していたのでは、保存スペースを圧迫し、本当に必要な行政文書を適切に管理できなくなってしまいます。
また、保存期間が過ぎた文書であっても、保有している以上は情報公開条例上の行政文書開示請求の対象になります。
さらに、個人情報等の秘密情報は、保有しているだけで漏えいの危険を伴うものであり、必要がなくなった個人情報は速やかに廃棄しなければなりません。

 

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(5) 保存期間の延長
保存期間は、前述のとおり、最低限保存の必要な期間を定めたものです。
あらかじめ指定した保存期間を超えて保存する必要があると認められる場合には、その必要な期間、文書の保存を行います。
そしてその場合には、保存期間の延長の処理を行わなければなりません。
事務室の文書を整理する中で、保存期間の延長が必要な文書については、延長の処理を行います。
紙文書だけでなく、電子文書も同様です。
また、すでに文書係の管理する文書庫に引継ぎ済みの文書であっても、保存期間が満了する文書については、必要があれば延長の処理を行います。

 

2 キャビネット下段(前年度以前文書)の整理

事務室内には、原則として現年度と前年度の2年分の文書を置き、前々年度以前の文書については文書庫等に移します。
そのため、キャビネットの下段にある文書については、次の年度は原則として事務室には置きませんので、次の3種類に分類して整理する必要があります。
紙文書については、実物を移動させるだけでなく、文書管理システムに登録を行わなければなりません。
整理に当たっては、後からまとめて登録できるように処理別に仕分けするとともに、あらかじめ用意したフォルダの一覧表などに、チェックをしていきます。

 

(1) 移し替え
引継ぎではなく、各組織で管理する書庫等に文書を移す場合には、「移し替え」の処理を行います。
移し替えを行う場合も、後から場所の移動を文書管理システムに登録しなければなりませんので、実物の文書を移し変える場所別に分けます。
また、保存期間等の管理が適切にできるよう、発生年度別、保存期間別にまとめます。

 

(2) 引継ぎ
引継ぎを行う場合には、文書を、文書係が指定する文書保存箱に入れて、別に定める手続により、文書係に申請をします。
後から引継ぎの手続ができるよう、発生年度別、保存期間別に文書保存箱に詰めます。
1箱に満たない場合は、文書係で、他の組織の文書と一緒にまとめますので、紐や輪ゴム等で束ねておきます。

 

(3) 廃棄
保存期間が満了する文書については、廃棄を行うか、保存期間の延長を行います。
下段にある文書で保存期間が満了するのは、基本的には1年保存の文書です。
内容を確認した結果、保存期間延長の必要がない場合には、廃棄するものとしてまとめておきます。
保存期間の延長が必要な場合には、次の処理方法に従います。

 

(4) 保存期間の延長
(3)で確認の結果、保存期間の延長が必要な場合には、フォルダラベルに表示されている保存期間を書き変えたうえで、他の文書と同様、移し替え、引継ぎなどの処理を行います。
また、後から文書管理システムに登録ができるよう、一覧表にチェックをしておきます。

 

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(5) 条件付保存期間文書の確認
保存期間が「条件付」(貸付金返済後○年、○○終了時などのようなもの)については、条件が達成したことを確認しないと、いつまでも廃棄されないまま放置されることになります。
年度末に限らず、条件が達成したときには保存期間満了日を登録して廃棄を行いますが、年度末の整理時については、まだ保存期間満了日が確定していないフォルダについても再確認を行います。

 

(6) その他の確認
その他、整理を行っている時点の登録情報と、実物とで一致しないものがあったら、後から登録情報を直せるようにチェックしておきます。

 

3 キャビネット上段(現年度文書)の整理

事務室内では原則として、キャビネットの上段に現年度の文書を、下段に前年度の文書を置きます。
年度切替時には、文書を下の段に移しながら、次の作業を行います。
整理に当たっては、後からまとめて登録できるように処理別に仕分けするとともに、処理に漏れがないよう、あらかじめ用意したフォルダの一覧表などに、チェックをしていきます。

 

(1) 置き換え
次年度も事務室内で保存を行う文書のうち、常用の指定を行うもの以外については、キャビネットの上段から下段に、置き換えを行います。
置き換えについては、同じ事務室の中での場所移動だけなので、特に文書管理システムに登録などは行いません。
あるべきフォルダがきちんと存在しているかだけ、チェックを行います。

 

(2) 廃棄
年度末で保存期間が満了する文書については、廃棄又は保存期間の延長を行います。
上段にある文書で保存期間が満了するのは、基本的には保存期間が0年の文書ですが、常用指定のために上段にあった旧年度文書についても、保存期間が満了するものについては確認を行います。
廃棄するものは、上記2(3)と一緒にまとめておきます。

 

(3) 保存期間の延長
保存期間が0年の文書のうち、保存期間の延長が必要な文書については、フォルダラベルに表示されている保存期間を書き変えたうえで、アと同様に置き換えの処理を行います。
また、後から文書管理システムに登録ができるよう、一覧表にチェックをしておきます。

 

(4) 常用文書の確認
常用文書については、キャビネットの下段には移さず、そのまま上段に残します。
常用とは、紙文書を管理する場合において、廃棄するまでの間、文書庫に移動したり、下の段に移したりせずに、現年度文書と同様に事務室内のキャビネットで保管することです。
頻繁に使用するために、文書庫で保存すると不便になってしまう文書が、これに当たります。
現年度文書のうち、これに該当するものについては、新たに常用に指定します。
また、旧年度文書で常用指定のために上段に残してあったフォルダについても、引き続き常用にしておく必要があるか、再度確認し、必要がなければ常用を解除します。
常用を解除した文書については、他の文書と同様に、置き換え等の作業を行います。

 

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(5) 条件付保存期間文書の確認
保存期間が「条件付」(貸付金返済後○年、○○終了時などのようなもの)については、条件が達成したことを確認しないと、いつまでも廃棄されないまま放置されることになります。
年度末に限らず、条件が達成したときには保存期間満了日を登録して廃棄を行いますが、年度末の整理時については、まだ保存期間満了日が確定していないフォルダについても再確認を行います。

 

(6) 文書の発生していないフォルダの削除
前述のとおり、年度始めにその年度のフォルダを作成するのは、文書が発生すると思われるフォルダをあらかじめ準備しているだけです。
結果的に文書が1件も発生しないフォルダもあります。
文書が発生しなかったフォルダをそのままにしておくと、目録上文書が存在するものと誤解されてしまいますので、そういったフォルダについては削除を行います。
実物の個別フォルダを抜き取り、後からまとめて削除の登録ができるようにまとめておきます。
削除の登録が終わったら、抜き取ったフォルダは再利用します。
ただし、紙の文書には1件も文書がなくても、電子文書が登録されていることもありますので、削除を行うに当たっては、電子文書の登録がないかについても確認をします。
これは、文書の「入れ物」を準備していたというだけですので、「廃棄」ではありません。したがって、廃棄のように文書管理責任者の承認を経る必要はありません。

 

(7) その他の確認
その他に、整理日時点の登録情報と、実物とで一致しない点があれば、あとから登録情報を直せるよう、一覧表にチェックをしておきます。
フォルダの整理が終わると、区分ガイドだけがキャビネットに残ります。
これは、新年度の区分に再利用します。

 

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4 電子文書の確認

移し替え、引継ぎ、置き換え、常用といった、文書の所在に関することは、紙文書に限った処理であり、電子文書を管理するうえでは関係のない処理です。
ただし、保存期間の満了にともなって廃棄や保存期間の延長を行ったり、文書の発生しなかったフォルダを削除したりという処理は、紙文書でも電子文書でも必要な処理ですので、同様に確認を行います。
これについても、紙文書と同様、実際に廃棄などの処理を行う前に、その予定について文書管理責任者の意思決定を受ける必要がありますので、まず確認だけを行います。
確認に当たっては、事前に用意した一覧表を使い、漏れのないようにします。

 

(1) 保存期間が満了する文書の確認
該当するフォルダの中にある文書を見て、保存期間の延長の必要がないか確認をします。
ア 廃棄
保存期間延長の必要がない文書については、廃棄とします。
イ 保存期間の延長
中にあるフォルダを確認した結果、保存期間の延長が必要な場合には、延長を行います。

 

(2) 文書が発生しなかったフォルダの削除
紙文書と同様、文書が1件も登録されなかったフォルダについては、削除を行います。

 

5 引継ぎ済みの文書、移し替え済みの文書の確認

すでに、引継ぎをして文書係の管理する書庫に収納してある文書、各課の管理する文書庫等に移し替えが済んでいる文書であっても、保存期間が満了する場合には、廃棄か延長かの判断を、事務室にある文書と同じように行い、登録を行います。
(1) 文書係の管理する書庫に引継ぎ済みの文書
文書係の管理する書庫に引継ぎ済みの文書については、文書係で廃棄の処理を行いますので、延長が必要な場合のみ、延長の処理を行います。
また、文書管理システムに登録を行っても、現物を箱に入れたままではそのまま廃棄されてしまいます。
必ず箱から出して、事務室に移動するか、保存箱の入れ替え等を行ってください。
一つの保存箱に収納されたフォルダすべてを延長するような場合には、保存箱の延長を行います。
保存箱から抜き出して、事務室に移動する場合には、文書管理システムで保存場所の変更を行います。

 

(2) 各課の管理する書庫等に移し替え済みの文書
事務室にある文書と同様に、廃棄又は保存期間延長の処理を行います。
登録を行うだけでなく、現物の移動等も行います。
保存箱に収納している場合には、箱の入れ替え等を行います。
また、誤って廃棄することのないよう、フォルダラベルや、ボックスファイルのラベル等、表示を変更します。

 

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6 保存期間満了時の措置予定の登録と意思決定

「保存期間満了時の措置」とは、保存期間が満了したときに、その文書をどうするかということです。
原則として、「廃棄」か「延長」のどちらかになります。
文書の廃棄に当たっては、文書管理責任者の承認を経なければなりません。
また保存期間の延長を行うのも文書管理責任者の権限です。
したがって、保存期間が満了した文書の処理は、文書担当者の判断で行うのではなく、文書管理責任者の決定で行う必要があります。
そのため、処理を行う準備をしたら、実際に処理を行う前に、文書管理責任者の決定を受けなければなりません。

 

(1) 保存期間満了時の措置予定の登録
上記のとおり、キャビネットの中の文書や、電子文書、書庫にある文書の処理について確認を行ったら、整理をしながらチェックをした一覧表に基づき、文書管理システムに保存期間満了時の措置予定を登録します。

 

(2) 措置予定一覧表の意思決定
(1)で保存期間が満了する文書についての措置予定を登録したら、フォルダごとの措置予定の一覧表を出力します。
そして、その一覧表について、課でまとめて各文書管理責任者の決定を受けます。
決定を受けたら、実際に、廃棄や延長などの処理を行います。

 

7 実際の処理

上記6により、文書管理責任者の決定を受けたら、処理別にまとめておいた文書について実際に処理を行います。

 

(1) 移し替え
文書管理システムで、移し替えの処理を行い、保存場所の移動を登録します。
各課の書庫で管理する場合であっても、引継ぎと同様に発生年度別、保存期間別に、文書保存箱に詰めます。

 

(2) 廃棄
紙文書がある場合には、現物の廃棄の処理を行います。
特に、秘密文書が含まれる場合には、廃棄には十分注意をしなければなりません。
また、実物を廃棄するだけでなく、文書管理システムでも廃棄の登録を行います。

 

(3) 保存期間の延長
文書管理システムで延長の処理を行います。
保存期間の延長が、特別な事情によりその年度に限って延長が必要になるような場合ではなく、制度改正等により基準として見直す必要がある場合には、必ず分類基準表の見直しも行います。

 

(4) フォルダの削除
文書が1件も発生しなかったフォルダについては、フォルダの削除を行います。
フォルダを年度始めに作成するのは、文書の入れ物を準備しているだけですので、文書が発生するまでの間であれば、削除を行うのに何も制限はありません。

 

(5) 常用登録、常用解除
確認の結果常用の指定が必要なフォルダについては、常用の設定を行います。
また、これまで常用に指定していたフォルダのうち、常用の必要がなくなった場合には、常用の解除を行います。

 

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8 文書係への引継ぎ

(1) 引継ぎの注意点
ア 引継ぎの期間
庁舎内、庁舎外ともに、年度当初、文書庫に入っている文書の廃棄処理を行ってから、引継ぎの受付を行います。
通常、年度末・年度始めについては、大量の引継ぎ文書が発生するため、集中引継ぎ期間を設けていますので、基本的にはこの期間に引継ぎの申請を行います。
ただし、年度末・年度始めの整理時以外にも、必要があれば引継ぎを受け付けます。

 

イ 引継ぎ先の書庫
引継ぎ先の書庫は、できるだけ主管課の希望に沿えるようにしますが、文書係の書庫は容量に限度があるため、閲覧の可能性の低い文書や、大量に引き継ぐ文書(およそ10箱以上)、特に保存期間の長い文書は、原則として本庁舎外の文書庫に引き継ぎます。
また、本庁外の事務事業所からの引継ぎは行いません。

 

ウ 引継ぎの対象
引継ぎの対象や、原則として前前年度以前の文書です。
現年度と前年度の2年分の文書は、原則として事務室に置いておきます。
また、次のような場合には、適正に管理できなくなる可能性、廃棄ができなくなる可能性があるため、文書を引き継ぐことはできません。
(ア) 文書管理システムに登録されているフォルダ以外の文書が含まれている場合
(イ) ファイルの登録単位が適切でない場合(複数の保存箱に収納する文書が、一つのフォルダとして登録されているような場合)
(ウ) 常用文書が含まれている場合
(エ) 文書係が配布する文書保存箱以外の箱を利用した場合
(オ) 文書保存箱内に、発生年度及び保存期間の異なるフォルダが混在している場合
(カ) 溶解処理できないファイル用品(金属、プラスチック、ビニール製のバインダー、写真、
フィルムなどが混在しているファイル)の場合

 

(2) 箱詰めの手順と注意事項
ア 必ず所属年度別、保存期間別に、文書係の指定する文書保存箱に収納します。
1箱に満たない場合には、文書係で他の所属のフォルダと同じ箱に入れるので、輪ゴムや紐などで束ねて、文書係に持ち込みます。

 

イ 個別フォルダは、ふたを開けたときにファイル名が見えるようにするため、「ミミ」の部分を手前に、簿冊は「背表紙」を手前に入れます。

 

ウ 文書保存箱には、保存箱ラベルを貼る以外に、主管課で何か書いたりはしません。
エ ふたを閉めて、ストッパーでふたを止めます。このとき、ガムテープなどは使いません。

 

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