収受登録とは|公文書の収受登録のやり方

収受登録とは|公文書の収受登録のやり方

収受とは

文書の収受とは、文書が郵送、文書交換などによって団体に到達した後に、その文書に関して必要な事務を処理すべき義務を自分の組織が負うものとして、受領を確認することをいいます。
到達した文書のうち、いつ、誰から、誰あてにということを管理する必要がある文書については収受登録を行い、その記録を管理します。
文書が到達したか否か、またいつ到達したかということは、その後の権利義務関係に影響を与えますので、その到達は正確かつ迅速に記録されなければなりません。
そのため、収受登録は、到達後迅速に行う必要があります。
収受の意義や効果については後述します。

 

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到達と収受

文書の取得には、到達と収受という二つの段階があり、それぞれの意味は次のとおりです。
また、間違えやすい用語として「受理」という概念がありますが、受理は、到達した文書の内容と形式を審査したうえで、有効な意思表示としてそれを受領することをいいます。
(1) 到達:単に文書を受領すること。
(2) 収受:形式や内容にかかわらず、相手方の意思表示に対し必要な事務を処理すべき義務を負う者が受領を確認すること。
(注)到達と収受が同時であることが望ましく、できるだけ時間差が生じないように処理する必要があります。

 

収受の運用

収受登録は、統括文書管理責任者が別に定める基準により、文書管理システムに文書を登録することが基本です。
特別な事情により、文書管理システムに登録をせずに収受登録を行う必要がある場合は、統括文書管理責任者に協議するものとします。
収受登録は、各係で文書取扱責任者が行いますが、文書取扱責任者の指導のもとに他の職員が代行することができます。

 

収受登録の意義

自治体に到達した文書は、住民の権利義務や生活に密接にかかわる内容のものが多いので、文書の取扱いには慎重である必要があります。
いつ、どのような文書が自治体に到達したかは、相手方の意思表示の効力発生時点になるとともに、その後の事務処理の根拠となるものですので、遅滞なく、規則等に従って記録する必要があります。

 

文書がいつ、誰から誰に到達したかということは、しばしば法律上の問題になることがあります。
そして、そのときに証拠となるのは収受登録の記録です。
例えば、自治体の機関が行った行政処分の取消しを求める不服申立ては、当該処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内にしなければならず、この期間を経過してなされた場合は不適法な不服申立てとして却下されます(行政不服審査法第14条、第40条第1項、第45条、第47条第1項)。

 

この場合、不服申立てに関する書面(審査請求書又は異議申立書)が60日以内に自治体に到達したかどうかを明確に記録していないと、適法な不服申立てであるかどうかが確認できないこととなります。

 

収受登録の対象文書

収受登録すべきかどうかの判断は、基本的には上記のとおり、その文書がいつ誰から誰に到着したのかということを明確に記録する必要があるか否かで判断します。
この判断においては、紙により受領したか、電磁的記録により受領したかということは問いません。

 

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(1) 収受登録をすべき文書
ア 外部の団体や個人が「回答」を前提として出した照会、申請、依頼、協議などの文書
イ 庁内でのやり取りのうち、組織から組織への正式な照会、申請、依頼、協議などの文書
ウ 収受の後、その収受文書を元に供覧や起案を行う文書
(2) 収受登録の必要がない文書
ア グループウェアの掲示板に掲示されている文書など、単に周知のために配布されている資料
イ 原本を他部署で管理している場合において、周知のためにその写しが配布されたもの
ウ 会議の席上で配布された資料や政府刊行物など、送付元やあて先を管理する必要がない文書

 

なお、収受登録を行わない場合であっても、各係で所在を管理する必要がある文書は、資料登録を行って管理します。

 

紙で受領した文書の扱い

収受登録の必要性は、紙文書で受領する場合でも、電磁的記録により受領する場合でも変わりません。
受領した紙文書については、光学式読取装置(以下「スキャナ」といいます。)を使用して、文書管理システムに登録することができます。
紙で受領した文書であっても、できる限りスキャナを利用して電子化したうえで、電子化文書を収受登録します。
また、電子化できない場合であっても、文書管理システムに件名等の目録情報を登録し、収受登録を行います。

 

(1) 電子化して管理する場合
スキャナにより電子化を行った場合には、その電子化文書を添付し、電子文書と同様に収受登録を行います。
電子化文書を登録したとしても、元となった紙文書を廃棄できるか否かは別の問題です。
紙の原本を保存する必要がある場合は、収受登録票を出力し、紙文書に添付して管理します。

 

(2) 紙のまま管理する場合
電子化を行わずに、紙文書のまま管理する場合には、電子文書と同様に、文書管理システムに収受登録の情報を入力しますが、添付文書については件名等だけを登録します。
そして、文書管理システムから収受登録票を出力し、現物管理のために紙文書に添付します。

 

(3) 例外的に文書管理システムに収受登録を行わない場合
紙で受領した文書のうち、保存期間が0年の簡易な文書については、文書管理システムに収受登録を行う必要はありません。
文書の余白に文書記号番号、収受日等の必要事項を記載して、収受の処理を行います。

 

電子的に受領した文書の扱い

情報処理システムを利用して係に到達した電磁的記録のうち、収受の必要があるものは、文書管理システムにより収受登録しなければなりません。

 

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収受登録の単位

原則としては、文書1件ごとに一つの登録を行います。
ただし、大量の申請書を管理する場合などについては、「○月○日分申請書」などのように所在管理ができる単位の管理でかまいません。
まとめて収受登録を行うためには、起案や供覧といった処理をまとめてできること、保存管理を一緒にできること、送付元や収受日がある程度まとめて管理できることが条件です。
したがって、収受すべき日の範囲があまりにも広いものや、別のフォルダで管理すべき文書を、まとめて収受登録することはできません。

 

収受登録の方法

収受登録すべき文書は、次の方法で文書管理システムにより収受登録します。

 

電子で受け取った文書

(1) 文書管理システムの庁内施行機能で受け取った文書
文書管理システムの庁内施行機能で受け取った文書は、すべてシステムで収受登録して管理します。
この場合において、同時に処理ができる到着文書については、複数の文書をまとめて収受登録することができます。

 

(2) 電子メールで受け取った文書
電子メールなど、文書管理システムの庁内施行機能以外の手段で受け取った電子文書であっても、行政文書としての適正管理のため、文書管理システムに添付文書を取り込み、登録します。
添付文書だけでなく、メール本文であっても、組織共用文書として管理する必要があるものは登録します。

 

(3) 電子申請システムにより受領した文書
電子申請システムにより受け取った文書は、事務担当者が所定の手続により処理します。

 

紙で受け取った文書

紙で受領した文書でも、できる限りスキャナを利用して電子化したうえで、文書管理システムにより収受登録します。
電子化できない文書についても、簡易なもの(0年保存のもの)以外については文書管理システムに登録して目録を管理します。
(1) 紙文書を登録したときは、収受登録票を出力し、対象となる文書に添付します。
(2) 紙で管理する文書のうち、0年保存の簡易な文書については文書管理システムに登録をする必要はありませんが、文書の余白にフォルダ番号、収受日等の必要事項を記載して、管理を行います。
(3) 20枚程度の紙文書であれば、スキャナで読み込み、電子データを文書管理システムに登録します。

 

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ファクシミリで受け取った文書

ファクシミリに着信した記録は、速やかに出力し、紙に記録します。
この場合において、出力した紙は、紙で到達した文書と同様に収受の処理を行います。

 

具体的な記載内容等

(1) 各項目入力上の注意
ア 件名
(ア) 不開示情報は使用しない
文書件名は、庁内の誰でも検索して参照することができます(文書の内容を参照できるかは共用権限によります。)。
個人情報などの不開示情報は入れないように注意してください。
悪い例)○○商事申請書

 

(イ) 後から検索しやすい件名を使用する
同じ定例的な文書にもかかわらず、その時々で違う件名を付けてしまうと、後から整理しづらくなります。
ただし、全く同じ件名を使用してしまうと、件名からの特定が難しくなりますので、同じ件名になってしまう場合は、日付を入れるなど各業務で工夫してください。

 

(ウ) 件名だけで文書をある程度特定できるようにする
分類やフォルダ、起案の中身を見れば特定できる内容でも、件名にあまりにも一般的な名称を付けてしまうと後で件名から探すときに特定できず、不便になります。
また、外部に対しての情報公開の目録としても不適切です。
悪い例)申請書

 

イ 共用権限
共用権限とは、その文書を参照できる範囲です。
決裁や供覧の対象者として指定されている場合には、共用権限とはかかわりなく、決裁(供覧)文書を閲覧することができます。
特に係外に文書を見せられない理由(個人情報等の秘密情報が含まれているような場合)がなければ「全庁共有」に設定してください。
特に、公開情報において「全部開示」を設定した場合には、必ず「全庁共有」にしてください。
外部に対して公開できる文書が職員に対して公開できないことはありえないからです。
逆に、公開情報において不開示(一部不開示を含みます。)に設定した場合には、共用権限は「係内共有」を設定します。
庁外に対して公開できない文書は、原則として係外にも公開できないからです。

 

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ウ 収受日
収受日は、収受登録を行った日です。

 

エ 発信日
施行文書に表示されている発信日を入力します。

 

オ 発信者組織区分
その施行文書が内部から送付されたものなのか、外部から送付されたものなのかを選択します。

 

カ 発信番号
施行文書に表示されている、送付記号番号を入力します。

 

キ 発信者
その文書が誰から来たものなのかを登録します。ただし、住民等からの申請等の場合は、具体的な個人名は入力せずに、単に「市民」や「申請者」等としておきます。

 

ク あて先
その文書が「誰あて」に来たのかを管理します。

 

(2) 添付文書の設定
添付文書が電子文書の場合には、文書管理システムに電子文書を登録します。
紙文書の場合には、件名等の目録情報だけを文書管理システムに登録し、現物には収受登録票を付けて管理します。

 

(3) 保存情報
文書の分類、保存期間など、その文書を整理保存するために必要な情報を設定します。
文書は通常、フォルダ単位で管理を行いますので、分類や保存期間なども原則としてフォルダごとに決まっているものです。

 

(4) 公開情報
その文書が情報公開条例上の行政文書開示請求があったときにどのような扱いをするのかを、目安として設定します。
ここで設定するのは文書管理について注意を促すための目安であり、実際に行政文書開示請求があったときには、そのときにまた別個に開示・不開示の判断を行う必要があります。

 

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