官公庁の公文書のフォント|明朝体やゴシックの書体、漢数字の使い方

官公庁の公文書のフォント|明朝体やゴシックの書体、漢数字の使い方

官公庁の公文書のフォント|明朝体やゴシックの書体、漢数字の使い方

 

 

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公用文の書式については、一般的にその種類ごとに訓令形式の公文例規程などで定められますが、法令で規定されている場合はその書式によらなければなりません。
「要式行為」といい、法令に規定された書式を守らないと、無効になる場合もあるので注意します。
以下では、公文書の一般的な書式を解説していきます。

 

公文書のフォント、書体、サイズ

使用するフォント

フォント(字体)・書体は、現代の通用字体を遣い、印刷字体は明朝体、筆写(手書き)字体は楷書にします。
ただし、図書、冊子、パンフレットなどの印刷物には、「見出し」などにゴシック体を使うことができます。

 

使用しない字体

固有名詞と常用漢字表の語を除き、当て字、旧漢字など公式に認められない字体は使いません。
また、俗字や略字は、よく使われるものであっても、公用文には使いません。

 

フォントサイズ、行間隔

電子的に文書を作成する場合には、フォントサイズや行間隔に注意します。
書式については、送付の相手方や文書の性格により異なりますが、読みやすさに注意し、通常は次のようにします。

・文字間隔 3.8㎜以上
・行間隔 7㎜以上
・フォントサイズ 10.5ポイント以上
※告示文書は12ポイント以上

 

公文書で使用する漢字

公文書では「常用漢字表」(リンクは文化庁HPのPDF)に掲げられた漢字を用います。
漢字使用についての詳細は「など、等」「ため、為」「さらに、更に」などの使い分け方|公用文の漢字解説を参照してください。

 

公文書で使用する「かな」

ひらがなとカタカナ

「公用文作成の要領(公用文改善の趣旨徹底について)」(昭和27年4月4日内閣閣甲第16号)で、公用文において外国の地名・人名や外来語・外国語を表記する場合はカタカナを用いることが原則とされており、これに「ただし書」を続けて「かるた」、「たばこ」などのように、外来語の意味の薄くなっているものは、ひらがなで書いてもよいとされています。

 

そこで、片仮名の使い方については、現在、「外来語の表記」(平成3年6月28日内閣告示第2号)が発せられていて、外国の地名・人名、外国語・外来語の表記の基準とされています。
この「外来語の表記」は、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など一般社会において、現代の国語を書き表すための「外来語の表記」のよりどころを示すものである」とされており、一般社会において既に十分浸透していますが、注意が必要なのは以下の点です。

 

①「ヴァ」か「バ」か
例えば、「ヴァイオリン」か「バイオリン」かといった問題ですが、結論からいえば「どちらも用いることができます」。

例1 ヴァイオリン ヴィーナス ヴェール ヴェルサイユ
例2 バイオリン ビーナス ベール ベルサイユ

例1はできるだけ外国語の発音に近づけようとする表記で、例2は日本語になじんだ表記です。
ど例1を「原音派」、例2を「日本語派」の表記方法といわれていますが、どちらを用いるにしても、どちらかで統一して使うようにします。

 

②長音は原則「ー」で伸ばす
長音は、原則として長音符号を用いて書きます。

エネルギー グループ テーブル パーティー ポーランド ニュートン

 

ただし、例外として、長音符号を使わないことが慣例となっている語句はそのまま書きます。

バレエ ミイラ サラダボウル ボウリング

 

③英語の語末が「er、or、ar、y」は長音符号を付ける
英語の語末が「-er、-or、-ar、-ty、-ry」で終わる語句は、原則として長音符号を付けます。

エレベーター コンピューター カレンダー マフラー コミュニティー カテゴリー

 

④複合した語を示す「つなぎ符号」
外国語の熟語や人名など、復党した語であることを示す「つなぎの符号」の使い方は、公に決まったルールはありません。

ケース バイ ケース  ケース・バイ・ケース
マルコ・ポーロ マルコ=ポーロ

 

⑤「㎞」などの単位記号の書き方
法令では、条文中に「㎞、kg、%」などの記号は用いることはできないとし、例外として算式や別表中に用いることができるとしています。
一般の公用文においても、法令同様、文章中では記号ではなく片仮名で書くのが原則です。

 

仮名遣い

仮名遣いについては、公用文特有の原則はありません。
そのため一般の仮名遣いの原則「現代仮名遣い」(リンクは文化庁HP)に掲げられたものを用います。

 

「現代仮名遣い」は、「法令、公用文書、新聞、雑誌、放送など一般社会において、現代の国語を書き表すための仮名遣いのよりどころを示すものである」としており、一般社会でも十分に浸透しています。
ただし、「じ・ず」と「ぢ・づ」の使い分けは間違いやすいので注意が必要です。

 

「じ・ず」と「ぢ・づ」の使い分けは、一言でいえば、ざ行の「じ・ず」を原則として、だ行の「ぢ・づ」は限られた条件で例外として用いるということです。
その例外の条件は①同音の連呼、②2語の連合の2パターンです。

 

①同音の連呼
「同音の連呼」とは、同音の語を続けて発するために、2音目が濁った場合を言います。

ちぢみ ちぢむ ちぢこまる つづみ つづら つづく つづめる つづる

 

②2語の連合
「2語の連合」とは、二つの語を連ねて発するために2語目が濁った場合を言います。

はなぢ そえぢ もらいぢち そこぢから ひぢりめん いれぢえ ちゃのみぢゃわん まぢか こぢんまり みかづき たづな にいづま ひげづら おこづかい こころづくし ことづて っもとづく つくづく つれづれ

 

例外の「ぢ・づ」を用いる用例は、以上のとおりですが、これらを俗に「連濁のぢ・づ」と呼びます。
この「連濁のぢ・づ」は、漢字で書く語の場合は問題ありませんが、漢字で書けない語については注意が必要です。
平仮名でしか書けない語について、「じ・ず」と「ぢ・づ」の使い分けに迷った場合は「連濁のぢ・づ」の条件を思い出してください。

まず(×まづ) ずつ(×づつ) いずれか(×いづれか)

 

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公文書の数字、漢数字

縦書きの場合

一、二、三、十、百、千、万、億(特に必要がある場合には、壱、弐、参、拾)などの漢数字を使います。
次のように発音に従って書きます。
ただし、「いっせん」「いっせんまん」と発音することがあっても、原則として「千」「千万」と書きます。
また、小数点は中点を用います。

 

縦書きの漢数字の例

※原則
千九百九十九年十二月三十一日
一億二千万千百一
十分の二
三十五倍
二の三乗
六・二秒

 

※ただし特に見易さを必要とするときは、
次のように書いてもかまいません。

 

九一七・○三メートル
一、三○五・四キログラム
一四、五六七、一二三円
東京都中央区一丁目二三番一○号

 

 

 

 

 

また、縦書きの文の漢数字を含む部分を横書きで引用するときは、算用数字に直します。
ただし「~五箇年計画」等の固有名詞については、横書きにしても漢数字のままにします。
算用数字を用いる場合、漢数字に付く「箇」は、「か」へ平仮名に変わります。
※公用文におけるひらがなと漢字の使い分けの詳細は「など、等」「ため、為」「さらに、更に」など漢字とひらがなの使い分け方|公用文の常用漢字を参照。

 

住所の書き方で、例えば「三丁目」は番地ではなく、町名の一部であるので、横書きでも漢字のままとすべきであると言われることもあります。
しかし特に正確さを要する文書以外では、「三丁目3番3号」を「3丁目3-3」や「3-3-3」と書いても許容されます。

 

 

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横書きの場合

1、2、3、0などのアラビア数字を使います。
十、百、千、万などの桁は、数字の位で表します。
ただし、次の場合には発音に従って書きます。

2分の1  2の3乗

 

上記ににかかわらず、次の場合には、漢数字で書きます。
①固有名詞を表す場合

四日市一丁目  八王子  駅通り四番街

 

②概数を表す場合

数十日  四五日  二三の

 

③数量としての意味が薄い言葉を表す場合

一般  一部分  一方  三日月  十分

 

④熟語や慣用の固定した言葉などを表す場合

一長一短  五十歩百歩  三十石船  五寸くぎ  零下

 

⑤大きい数のけたを分かりやすく表す必要がある場合

12億3,457円  10万600(千の字は、予算書などに使うことができます)

 

⑥「ひと、ふた・・・と」、「ひとつ、ふたつ、・・・とお」と読む言葉を表す場合

一休み  二言目  三つ子  一つ  二つ

 

※「ゼロ」という表現は、英語であるので用いず、基本的に「零(れい)」を用います。
ただし「交通事故ゼロ作戦」「ゼロ歳児」といった、標語等で用いるのは構いません。

 

外国文字・ローマ字

外国文字

公用文には、原則として外国文字は使いません。
ただし、次のような場合は、外国文字を使ってもかまいません。
①外国人を対象とする文書を作る場合
②外国人をも対象とする申請書などの様式の中で日本語とともに外国語を使って説明する場合
③その専門の分野で通常使っている記号に外国文字を使う場合
④見出し記号として使う場合(見出し記号については項番の振り方、段落番号の順番のルールを参照してください。)

 

ローマ字

ローマ字を使う場合は、「ローマ字のつづり方」(内閣告示)によります。

 

外来語

外来語の表記については、「外来語の表記」(令和3年内閣告示第2号)に従います。
外来語の表記については、令和3年に、昭和29年に制定された「外来語の表記」の見直しが行われ、従来制限的だった表記がかなり自由なものになりました。

 

具体的には、外来語や外国語の地名・人名を書き表す場合に、「シェ、ジェ」「ティ、ディ」「ファ、フィ、フェ、フォ」「デュ」を一般的に用いることができるようになりました。
また、原音になるべく近く書き表そうとする場合に、「ウィ、ウェ、ウォ」「クァ、クィ、クェ、クォ」「ヴァ、ヴィ、ヴ、ヴェ、ヴォ」並びに「トゥ、ドゥ」「テュ」「フュ」及び「ヴュ」を用いることができるようになりました。

 

また、最近の表記法では、カタカナ語の最後にあるア列の長音符号を省略するのが原則となっています。
ただし、従来の慣例により長音符号を省略しにくいものについては、従来の例によります。

エレベータ  コンピュータ  プリンタ  スキャナ  アナウンサー
メーカー

 

「メートル」「パーセント」等の外来語の単位はカタカナで書くのが原則ですが、横書きでは必要に応じてローマ字の単位記号を用いても良いこととされています。
「パーセント」の増減は、単位を「パーセント」ではなく、「ポイント」と表現します。

 

例文

研修の参加率は職員全体の60パーセントであり、昨年の55パーセントに比べると5ポイント増加した。

 

外字

外字利用の原則

外字とは、パソコン等で、標準的に用意されている以外の文字を言います。
人名や地名などで必要があるときは、その外字フォントを、使用するパソコンに導入する必要があります。
庁内LAN端末に導入されている外字を利用した場合、電子ファイルで庁内LAN 端末以外のパソコンとデータ交換を行ったときに正しく表示されませんので、注意が必要です。
その使用については、庁内LAN統括管理者、その他庁内LAN上で稼動するシステムの管理者が定めるところによります。

 

庁内LANにおける外字利用の原則

外字の利用には上記のような問題点がありますので、外字を利用するのは原則として次の場合に限ります。
①業務上使用する氏名、社名、団体名及び地名など固有名詞に係る文字
②法的な正確性、又は儀礼的な配慮等により、他の文字で代替することが困難なもの
③電子ファイルにて庁内LAN 以外のコンピュータとデータ交換等を行わないもの

 

文書管理システムにおける外字利用

基本的には、庁内LANにおける外字利用に従います。
文書管理システムにおける外字利用の原則は次のとおりです。
①文書管理システムに入力された情報(添付文書以外の画面上の入力項目)は、電子のまま外部に公開することを前提としているため、外字を利用することはできません。
②添付文書については、外部に電子的に送付する場合は、外字は利用できません。ただし、外部への送付が発生しない文書や、送付がある場合でも印刷して郵送等で送付する文書については利用することができます。

 

まとめ

・印刷字体は明朝体(見出しはゴシック体も可)
・文字間隔 3.8㎜以上、行間隔 7㎜以上、フォントサイズ 10.5ポイント以上(※告示文書は12ポイント以上)
・公用文の漢字には、「常用漢字表」に掲げられた漢字を用います。
・公用文のカタカナは、外国の地名や人名そして外来語を表す場合に使う。
・公用文の仮名遣いは、「現代仮名遣い」に掲げられたものを用いる。
・公用文の数字は、原則として縦書きの場合は漢数字、横書きの場合はアラビア数字を使う。
・公用文には、原則として外国文字は使わない。
・ローマ字を使う場合は、「ローマ字のつづり方」(内閣告示)による。
・外来語の表記については、「外来語の表記」(令和3年内閣告示第2号)に従う。

 

 

 

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